「RICE-HEART」の大盃三佳(撮影:志和浩司)

 各地の酒蔵では、新酒が続々登場し、しぼり立て生酒が恋しくなる季節。そんな日本酒界にアイドルとして活躍する大盃三佳(おおさかずき みか)がいる。

 昨年5月に結成された日本酒アイドルユニット「RICE-HEART(ライスハート)」のメンバーでもある。そしてなんと、左手の薬指にはリングが光っている。

年齢制限が”20歳以上”のアイドル「RICE-HEART」で活動中

「RICE-HEART」の大盃三佳(撮影:志和浩司)

 「もともとは癒し系の歌が好きで、歌手として活動したくて、ネットでオーディションを探しているときに『RICE-HEART』を見つけたんです。日本酒とアイドルって面白いなと思って。あと、年齢制限が”20歳以上”っていう(笑)」

 プライベートでも、歌とお酒が大好き。大学時代は生化学を専攻、研究のため地方によく行ったが、その際、地酒にハマったという。

 「懇親会なんかで振舞ってくれるんですよ。いろんな土地へ行っては、地酒を楽しむ生活をしていました。歌はサークル活動でアカペラをやっていました。物心ついたときからいつも歌ってて、大きな声で歌うから親に叱られていました」

 当初は研究者を目指し大学院まで行ったが、そこで研究はやりつくしたと感じ、就職活動では通信キャリアの代理店営業に行ったという。

 「ちょっとこれまでとは違うことをやってみたくて営業を選んだんですが、あまりにも忙しくて体調を崩し、仕事をやめて療養したんです」

 そして4年前のこと、結婚して主婦になった。

 「主婦になって、暇になっちゃったんです。家事が好きなほうなので苦じゃないのと、主人も協力してくれるので。人生の夏休みを謳歌している感じで、何か新しいことをやりたいなと思って、それでオーディションを探したんですよ」

「RICE-HEART」の大盃三佳(撮影:志和浩司)

 「RICE-HEART」のオーディションに受かってからは、何もかも初めてづくし。当初は4人組でスタートしたユニットだったが、何度かメンバーの出入りがあり、現在は相方の甲子(きのえね)えりかとの2人組だ。

 「彼女も結構、飲めますよ。酒屋さんのイベントとかでは、ずっと2人で飲んでいます。日本酒の紹介も2人でするんです。私たち一応、“日本酒ナビゲーター”という利き酒師の弟分のような資格があるんですが、それを持っています」

 月に一度、ゲストのアイドルを招いたライブも開催。オリジナルが5曲あるが、そのうちの『日本酒恋歌』の歌詞は大盃の作詞という。歌詞の中に日本酒の銘柄が38種類、出てくる。ファンの間で評判上々のナンバーだそうだ。また、物販では一升瓶を持ち込んで一杯ずつ売ったりもする。プロデューサーのパートナーに酒屋の若旦那がいて酒類販売業の免許を持っているからこそ、できるのだという。「浅草酒販組合」とも付き合いがあり、浅草周辺で行われるお酒イベントにも出演しているのだとか。

 「日本酒普及に貢献することを目指しているんです」

「RICE-HEART」の大盃三佳(撮影:志和浩司)

 そして大盃自身は、日本酒アイドル以外の活動にも力を入れ始めている。

 「今月からフリーランスで、ピアノ&ボーカルユニット『Sunray in Rain』としても活動をスタートしました。仙台の復興支援ライブでデビューしたのですが、声が良いって言っていただけて」

 今後は、両方の活動を継続して充実させていきたいという。日本酒とアイドル、不思議な組み合わせ、気になる人はライブ情報など大盃の活動を調べてみてはいかがだろうか。

(取材・文:田村豊、撮影:志和浩司)