名門の東京ヴェルディをJ1昇格POまで導いてきたロティーナ新監督(写真・アフロスポーツ)

来シーズンのJ1を戦う最後の一席をかけたJ1昇格プレーオフの準決勝が26日に行われ、名古屋パロマ瑞穂スタジアムでは名古屋グランパス(3位)とジェフユナイテッド千葉(6位)が、熊本・えがお健康スタジアムではアビスパ福岡(4位)と東京ヴェルディ(5位)がそれぞれ激突する。

 昨シーズンはJ1を戦っていたグランパスとアビスパが1年での復帰を目指せば、ジェフはJ1昇格プレーオフ史上で最多となる4度目の出場。終盤戦に奇跡的な追い上げを演じて6位に食い込んだ一方で、異彩を放つ存在がヴェルディとなる。

 2012シーズンから導入され、6年目を迎えたJ1昇格プレーオフへは今回が初めての進出。昨シーズンはJ3への降格危機に直面し、18位でかろうじてJ2残留を決めている。振り返れば2014シーズンもクラブワーストの20位にあえいでいた。

 Jリーグが産声をあげた1993シーズンから連覇を達成しながら、読売新聞社や日本テレビの経営撤退もあって長く低迷を強いられてきた。黎明期の名門クラブに復活への道筋をつけたのが、今シーズンから指揮を執るスペイン人のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督であることは言うまでもない。

 ラ・リーガ1部のオサスナやセルタ、エスパニョールで一時代を築いた60歳の名将は、開幕前のチーム作りの段階でコンセプトを3つの英単語に集約させ、それぞれの頭文字を取った『3つのP』というキャッチーなフレーズを介して選手たちに浸透させた。

 指揮官が掲げた『3つのP』とはポゼッション(Possession)、ポジショニング(Positioning)、プログレッション(Progression)であり、ロティーナ監督自身は特にポジショニングを攻守両面で細かく要求し続けた。クラブとしての要望でもあったと、ヴェルディの竹本一彦GMが言う。

「どこから手をつけるかと言えば、やはり失点を減らすこと。だから守備ということになるし、個人の戦術ミスが少なくなったことで無駄な失点がなくなりました」

 選手個々がポジショニングを考えるようになった結果として、年間42試合を戦う長丁場のJ2戦線で唯一、相手チームに一度もPKを与えなかった。

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