人の移動に関する国土交通省の調査によって、若い世代が休日に外出しない傾向が顕著となっていることが分かりました。一方、中高年以上の世代では外出する割合が高まっています。

写真:アフロ

 国土交通省では5年に1度、国民の移動状況に関する調査を行っています。それによると2015年度における20代の休日の外出率は約56%とこれまででもっとも低くなりました。一方、70代の外出率も20代とほぼ同じレベルとなりましたが、過去の調査と比較すると高齢者の外出率は上昇しています。ちなみに1987年における20代の外出率は71%超、70代の外出率は44%弱でしたから、最近の若年層の外出嫌いと高齢者の外出好きがはっきり見て取れます。

 平日についても20代の外出率が低くなるという傾向が見られますが、休日に比べるとそれほど顕著ではありません。平日は仕事がありますから、多くの人が外出せざるを得ませんが、休日は行動に制約がなくなります。おそらく高齢者については健康寿命が延び外出が容易になったという身体的要因が大きく、一方、若年層はネットの普及など、家で楽しめるツールが増えたことが影響していると考えられます。

 同じ20代でも男性と女性では差があります。男女とも外出率が減っているというのは同じですが、20代の男性は51%、女性は60%ですから、女性は比較的活発に外に出ているようです。

 若年層を中心に外出が減るというのは日本だけの現象ではなく諸外国でも同じ傾向が見られます。ネットの普及は国による違いがそれほど大きくありませんから、どこも似たような状況となるわけです。

平成27年度全国都市交通特性調査

 今後、AIスピーカーの普及や人口減少による都市部への人口集約などによって、移動の頻度はさらに減っていく可能性が高いと考えられます。これまで外出を前提にしていた製品やサービスは大きな見直しが必要となるかもしれません。逆に考えれば、家の中で楽しむことができる製品やサービスの市場は大きく拡大することになります。

 外出している高齢者は今、外でお金を落としてくれますが、この消費が未来永劫続くわけではありません。一方、若年層は経済的な余裕がなく消費に対しては抑制的ですが、今後、長期にわたって消費者であり続けます。企業としては、現在、活発に外出している高齢者をターゲットにすべきなのか、これから消費の主役となる若者をターゲットにすべきなのか難しい選択を迫られそうです。

(The Capital Tribune Japan)

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