貴乃花親方が協会に協力姿勢を見せたことで日馬富士暴力問題は終結へ向かうのか?(写真:Christopher Jue/AFLO)

日本相撲協会の理事会が30日、都内の両国国技館で行われ、引退した横綱・日馬富士が貴ノ岩に暴力をふるった問題について、当事者である伊勢ケ浜親方、貴乃花親方も出席して話し合いが持たれた。
 協会の危機管理委員会による事件の中間報告が行われ、被害者である貴ノ岩の親方で協会理事、巡業部長でもある貴乃花親方を12月3日からの九州巡業に帯同させない方針も決定した。理由は、今回の暴力事件の調査対応に集中することと、メディアが巡業に殺到することによる混乱の防止。また、これまで貴ノ岩の聴取など、内部調査への協力を拒否していた貴乃花親方は、「警察の捜査が終了した段階で協力する」と、一転、協力姿勢を明らかにしたという。

 週明けにも鳥取県警が日馬富士を傷害容疑で書類送検する予定だが、その検察当局による処分が決定後に、貴乃花親方は、危機管理委員会による貴ノ岩への聴取に応じる構えだ。
 
 また理事会には、横綱・白鵬が福岡から呼びだされ、千秋楽の優勝インタビューでの一連の発言や観客と万歳三唱を行ったことに加えて11月22日の嘉風との取り組みで、立ち会い不成立を訴え審判に抗議行動を行った行動にも「厳重注意」が与えられた。

 横綱・日馬富士が貴ノ岩に暴力をふるった問題は、日馬富士の引退、そして貴乃花親方が頑なな協会との対決姿勢を崩したことで、一気に終結へ向かいそうだが、これで一件落着と考えていいのだろうか。
 
 相撲ジャーナリスである荒井太郎氏は、その流れには否定的だ。

「日馬富士の引退はベストな選択だったと思いますが、問題はまだ残っていると思います。なぜ暴行に至ったのか、貴ノ岩が、あれだけの暴行を受けている間に、なぜ白鵬以下、誰も止めに入らなかったのか、危機管理委員会の報告はまだ中間報告ですが、最終報告では、うやむやにせずにすべてを詳細に明らかにすべきでしょう。場合によっては、その場にいた力士にも処分が及ぶかもしれません。今回の事件の全容の解明をしなければ、相撲界が負ったイメージの回復はできないでしょう」