ロシアのフィギュアの女王、メドベージェワは個人資格での参加も拒否?!(写真・アフロ)

国家ぐるみの組織的ドーピングが問題視されていたロシアの平昌五輪参加の是非を決める国際オリンピック委員会(IOC)の理事会が5日(日本時間6日)、スイスのローザンヌで行われ、ロシアの大会参加を認めない方針を決定した。理事会では調査委員会による報告を元に議論されたが、組織的ドーピングを行ったという報告書を承認する形で、ロシア・オリンピック委員会を資格停止とした。

 ただ救済処置も設けられた。過去にドーピングの違反がなく、新たな検査を受けて潔白が証明された選手に関しては、五輪旗の下で個人資格による中立選手としての参加が認められることになった。しかし、メダルを獲得した場合、ロシアのメダルとはカウントされず、表彰式などでも国旗、国歌の使用は認められない。

 注目を浴びるのが、この処分を受けてのロシアの国としての対応と、2014年のソチ五輪で33個のメダルを獲得したロシアの有力選手の個人資格での大会参加の有無だ。

 特に女子フィギュアスケートの世界選手権で2連覇中で金メダルの最有力候補とされているエフゲニア・メドベージェワ(18)が、五輪旗の下で出るか、出ないかに世界は注視している。その中、NBCスポーツは、この日、「メドベージェワは中立選手として五輪に参加しない」というニュースを掲載した。

 今回のIOCの理事会にロシアの選手団を代表して出席したメドベージェワはスピーチに立ち、ロシアの大会参加をアピールしたが、その際、「平昌五輪で中立選手として出場することは受け入れられない」と発言したという。記事では「メドベージェワは火曜日の裁定後、中立選手として平昌五輪で滑るかどうかについて『答えるにはまだ早すぎる』と話したとも伝わっている」とも続け、処分発表後には、明確なコメントを避けている状況も伝えた。それでも、NBCの記事は、IOC理事会でのメドベージェワのスピーチの内容を重要視して「中立選手の立場では出場することはない」との見通しを立てた。

 ロシアフィギュアスケート連盟のアレクサンドル・ゴルシコフ会長が、「12月10日以降に、連盟が五輪旗の下で中立の立場で五輪に参加するかを議論する予定」とコメントとしたという女子フィギュアの専門媒体による報道もあり、プーチン大統領は、明日にも声明を発表する予定。メドベージェワの平昌五輪参加は、ロシアの政治的な決断にも左右され、まだ正式決定には至っていない。

 ファイナンシャルタイムズ紙によると、ロシアのアイスホッケーのスター選手であるイリヤ・コバルチャクは、「ロシアのチームは個人資格で参加すべき。拒否は降伏を意味する! クリーンな選手は全員五輪に行くべきだ。多くの選手にとって、これが最後の大会、彼らは二度と五輪に行くチャンスがなくなるんだ」と話したそうで、選手の中でも個人資格での五輪参加に対する意見が分かれている。

 ワシントンポスト紙は「ロシア選手は母国の五輪参加禁止と向き合う。『私は出場したい』」との見出しの記事を発信。IOCの裁定を受けた選手の声を紹介している。その中でメドベージェワについても取り上げ、「メドベージェワはソチ五輪の時はわずか14歳で不正行為には直面しておらず、IOCの免除を受ける候補になりそうだ。だが、メドベージェワは、火曜日のIOC理事会で中立選手として参加するか約束できないと話している」と伝えた。

 記事は、メドベージェワの声として、「私は氷上こそが戦う舞台である五輪への参加機会を信じてきました。残念ながら、今の状況は私ではどうしようもなく、出場機会は失われたかもしれないと理解しています。母国は誇りです。五輪の舞台で見せるべき大きなプライドを持っています」と紹介した。

 メドベージェワは、今季グランプリシリーズに連勝。7日から開催されるGPファイナルの出場権を得たが、右足中足骨の骨折を理由に欠場を発表していた。平昌五輪へ向けてコンディションを整えるための処置とも見られていたが、金メダルの大本命が出場しないとなると大会での勢力図が大きく変化、大混戦となることは間違いない。日本の2人の五輪代表は、まだ決まっていないが、日本のメダル獲得の可能性も高まる。

 またロシアには、他にもGPファイナルに出場する“新星”アリーナ・ザギトワ(15)、マリア・ソツコワ(17)という有力候補がいるため、彼女らの動向にも注目が集まっている。

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