紅葉が初冬の光を受けて透けるように美しい(撮影:大浦タケシ、撮影地:東京・奥多摩)

 師走に入り、今年の紅葉シーズンも終了……と思っていませんか? しかし、12月上旬〜中旬まで楽しめる場所もあるのです。しかも、紅葉は見頃の時期よりも、散り始めているくらいのほうがフォトジェニックだったりします。いよいよ今シーズン最後の紅葉。撮り逃さないように、紅葉をキレイに撮るコツをプロカメラマンの大浦タケシ氏に聞きました。キーワードは「逆光」です!

初冬の低い太陽の「逆光」を上手に活かして撮ろう!

初冬の低い太陽光を逆光で撮影したモミジ。葉脈までしっかりと写し込む(撮影:大浦タケシ)

 紅葉に限らず、野外での撮影でもっとも重要なポイントは「光の使い方」になります。そして、一般に誤解されているのが「日差しが強い時間帯に、直射日光が当たっている被写体を撮影するのが正しい」と思われていることです。直射日光がガッツリと当たっていると、光が当たっている部分と影の部分のコントラストが強くなりすぎて、かえってキレイに見えないのが写真なのです。

 野外で写真を撮影する際に考える光の当たり方について、カメラ用語に「順光」(太陽の光が撮影する人の背後から被写体に当たっている状態)、「逆光」(太陽の光が被写体の背後から撮影者に当たっている状態)、「半逆光(サイド光)」(太陽の光が被写体、撮影者の横から当たっている状態)という言葉があります。

林の中などではスポットライトのように光が当たる位置などがある。ちょうど逆光になるタイミングで紅葉を撮影した(撮影:大浦タケシ、撮影地:新宿御苑)

 「紅葉の撮影は、日が傾き始めた夕方に近い時間帯をオススメします。太陽の光が柔らかく、光が少しオレンジがかって紅葉の色を引き立たせることができるからです。そんな太陽が“逆光”の状況で紅葉に当たっていると、とてもキレイな色が表現できます。この時期は日が傾くのが早く、14:30くらいから16:00くらいまでの時間帯が紅葉を撮るのに向いています」(大浦氏)

 「秋の日はつるべ落とし」という言葉もあるように、撮影できる時間帯が非常に短いので、作品撮りを狙うなら撮影ポイントを決めておくといいでしょう。

 「“順光”で紅葉を撮影すると、太陽の光がしっかりと当たってキレイな色が出せますが、写真全体にメリハリがなくなり、少し平板な印象の作品になりがちです。積極的に狙ってほしいのが“逆光”での撮影です。紅葉で太陽の光がレンズに射し込む量を制限できて、しかも葉を透かすことで透明感が出るので、印象的な作品に仕上げることができます」(大浦氏)

 写真を撮り慣れている方なら常識なのですが、どんな被写体でも常に「順光」で撮ることが正しいというわけではありません。紅葉の撮影は人物撮影などと異なり、なかなか思いどおりの光の場所に移動することが難しくなります。だからと言って、樹木を思いどおりの光が当たる位置へ動かすことは不可能です。そのため、狙っている光が紅葉に当たる時間帯をあらかじめ調べておき、その時間帯を狙って撮影する必要があります。