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 教員の長時間労働の改善策を検討している、文部科学相の諮問機関・中央教育審議会の特別部会は12日に中間報告をまとめたが、現職の教員はどう受け止めたのか。高校教員(男性、30歳代)に率直な思いを聞いた。「過去に文化系の部活動の顧問を務めたことで、授業準備がおろそかになってしまったことがある」と話す男性教員は、中間報告で部活動が「学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務」に位置づけられたことについて、「部活は教員の本来業務ではない、と明記してほしかった」と憤る。その理由とは。

【連載】部活動の今

「部活が学校の業務」と位置づけられたことが不安 「顧問の押し付け、改善されない」

 男性教員は、特別部会の議論と平行し、現職教員が集まって、働き方改革の改善策を話し合うグループ「現職審議会」の代表を務める。中間報告がまとまるまで特別部会を傍聴し、SNSで議論の課題を指摘するなどして、中間報告がよりよいものとなるよう働きかける活動をしてきた。

――率直に今回の中間まとめをどう捉えているか?

 現状を正確に表記したというところでは、僕らの思いを少し反映してもらえたと思っている。ただ、いくつかの点で不満はある。以前の特別部会の審議で報告の案が出された際、ある委員から「部活動は教員の本来業務ではない」と明記するよう求めがあったのに、盛り込まれなかった。部活動が学校の業務という位置づけも変わらなかった。とても残念だ。

――確かに「部活動は教員の本来業務ではない」とは書かれていないが、「学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務」とは書かれている。教員が部活指導について負担感を持っている場合、この文言を根拠に、顧問を拒否できるのではないか

 現状は部活動をやっていない学校はないので、ほとんどの学校では業務と位置づけられることになる。教師の本来業務ではない、と書かれていれば、教師は顧問を拒否できたが、学校の業務ということになると、顧問に就くことへの強制が強くなるかもしれない。管理職はおそらく、「みんなで部活を協力してやっていこう」と顧問を押し付けてくるだろう。

 これまでは部活動の位置づけはあいまいだったので、私も、周りの教員も部活動を業務だと思っていなかった。部活の顧問になれば、必ず勤務時間を超えて残業が発生するからだ。今回、部活動が学校の業務として位置づけられたので、今後の影響は計り知れない。

――なぜそのように言い切れるのか?

 私の実感として、部活動の業務化が着々と進んでいるという実感がある。例えば、私の学校ではこれまで部費の徴収・管理について顧問の裁量に任せられていた。しかし最近、今後は口座を作って収支を明確にし、収支報告書も作るよう指示があった。指導に加えて、収支報告書の作成まで求められることになれば、負担感がさらに大きくなる。

――中間報告では、「将来的には部活を学校単位の取り組みから地域単位の取り組みにし、学校以外が担うことも積極的に進めるべき」と盛り込まれたが?

 そういうなら、具体的なロードマップと財政支援策について示して欲しかった。部活を地域で、ということは以前から議論にはなっているが、全然実現していない。