日本の農産物は世界でもっとも高品質というイメージがありますが、食の世界でもガラパゴス化が進んでいるとの指摘が出ています。政府は農業を輸出産業に育てようとしていますが、単純においしい食材を作ればよいという時代ではなくなってきました。

(アフロ)

 このところ農業関係者の間でグローバルGAPという認証が話題になるケースが増えています。グローバルGAPとは、農業製品の生産管理工程を定めた国際基準で、当初は欧州で推奨されていましたが、現在では世界各国に広がっています。

 グローバルGAPを取得した事業者は、標準的な生産工程管理が出来ているとみなされ、取引面で有利になります。最近ではこれを取得している事業者のみに取引を制限する企業も増えてきており、農産物の輸出には必須の規格となりつつあります。

 しかし日本でグローバルGAPを取得している事業者が少なく、これが原因で海外と取引できないというケースが徐々に増えています。せっかくおいしい農産物を作っても輸出できないのでは意味がありません。中国の食品や農産物は管理が杜撰というイメージがありますが、中国の農業事業者の中にはグローバルGAPを取得するところも増えてきており、場合によっては中国の農産物の方が安全というイメージをもたれるケースが出てきてしまうわけです。

 そうであるならば、すぐにでもグローバルGAPを取得すればよいということになりますが、話はそう単純ではないようです。グローバルGAPは、農産物だけでなく、農薬の使い方や土壌、水質、現場で働く人の衛生管理などあらゆる面が評価の対象となります。現場での作業についても誰がどの作業をしたのかしっかり管理できていないと審査をパスすることができません。これらに対応するためには相応のコストが必要であり、零細な農家では対応が難しいともいわれています。

 政府もグローバルGAPの取得を推奨していますが、全面的に取得を支援するという状況にはなっていません。いくら日本の品質がすばらしいと主張しても、基準に沿って商品を提供しなければ、諸外国に受け入れてもらうことはできないでしょう。ガラパゴス化がさらに進んでしまう前に対策を進める必要がありそうです。

(The Capital Tribune Japan)