雲海の切れ間からのぞむ森

 散らついていた雪も止み、風も止まった。対岸の丘陵を鏡のように写し出す湖。時間が止まったようなその光景は今でもはっきりと覚えている。冬の北欧を旅したのは2年前のこと、今年独立100周年を迎えるフィンランドに再び向かった。

フォト・ジャーナル<独立100周年、冬のフィンランドへ>倉谷清文第8回

山頂で日の出を待つ。日照時間はわずか2時間しかない

 フィンランド最北部のラップランド地方は、真夏には二カ月以上まったく太陽が沈まず、真冬には太陽が出ない日が一カ月以上続くという。

 12月上旬、日の出を待つレヴィの山頂。標高1000mにも満たないがまわりに高い山々が存在しないため、雪景色の大自然が一望できる。温度計はマイナス12℃を指していた。雲海の切れ間から深い森と凍りついた川、湖がのぞいた。

 日の出と言ってもこの日は午前11時12分、日の入は13時9分と日照時間はたった2時間弱。太陽が昇るというより、地平線を這うと言ったほうが正しいかも知れない。(つづく)

(2017年12月撮影・文:倉谷清文)

※この記事はTHE PAGEの写真家・倉谷清文さんの「フォト・ジャーナル<独立100周年、冬のフィンランドへ>倉谷清文第8回」の一部を抜粋しました。

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