Macユーザーの筆者が、会計知識がなくても簡単・効率的に作業できる会計ソフトを探し求める当企画。今回は、freee(東京都品川区)を訪れて、「クラウド会計ソフト freee」の使い方や特徴を聞きました。

 同社は2012年設立のベンチャー企業。2013年3月にサービスを開始した「クラウド会計ソフト freee」は、2017年11月の段階で85万を超える事業所が利用しているそうです。同社サイトにアップされている資料には、「簿記の知識はいりません」と書かれています。筆者にピッタリのソフトなのではないでしょうか。期待しながら、操作方法を教えてもらいに行きました。

クラウド会計「使ってみた」(1)会計知識なしで使える会計ソフトが欲しい

レシートの山をどう処理するか

レシートをスマホのカメラで撮影して処理できる

 「結構たまっていますねえ」

 会議室の机に、筆者がため込んだ領収書の束を出したところ、同社個人モバイル事業本部の藤井浩平さんは、こう言って苦笑しました。しかし、レシートはスマホアプリで撮影して登録できると聞いたので、期待が膨らみます。

 「実際、アプリで読み込んでみましょうか」と藤井さん。束になった領収書やレシートをスマホのカメラで次々に撮影しました。印字されている金額と日付は、ほぼ100%読み込めました。数字を打ち込む手間がなく楽です。しかし、手書きの領収書は、うまくOCRが読み取ってくれないようでした。

 私の心を読み取ったのか、藤井さんは「アプリのアップデートで、12月には精度が上がりますよ」と得意気です。ユーザーが意識をしなくても、こまめなアップデートがかかるのはクラウドならではの特徴です。読み取れなかった店名はスマホに手入力して完了です。

 スマホアプリで撮影するだけなので、電車での移動中や食後の空いた時間を使って会計処理ができます。すべて手入力するのに比べて便利だと感じました。

勘定科目を推測してくれるところが便利

「結構たまっていますねえ」と藤井さんが苦笑したレシートの束

 freeeを含め、今回の取材で取り上げるクラウド型会計ソフトは、いずれも自分が事業で使っている銀行口座やクレジットカードの番号を事前に登録しておけば、取引明細に自動的に取り込める機能を持っています。

 この取込作業は、ブラウザからログインし、freeeの指示にしたがって、銀行口座とクレジットカードの番号を入力。筆者が開設している3口座分の取引明細の取り込みはおよそ10分で終了しました。

 パッケージ型会計ソフトを使っていた昨年は、取引明細の1件1件をすべて手入力していました。私の場合、銀行口座およびクレジットカードの取引件数は月々約60件あり、手入力に毎月1時間以上の時間がかかっていましたから、相当な労力の節約です。
 
 次に取り込んだ明細を仕訳するための操作方法を教えてもらいました。ホーム画面の中央にある「xx件の未登録明細を登録する」と書かれたボタンをクリックすると、画面が切り替わって取引の一覧がずらりと出てきます。

 筆者が使っていたパッケージ型会計ソフトだと「貸方」と「借方」という馴染みのない言葉で分類しなければなりませんが、freeeでは、赤い背景は「支出」、青い背景は「収入」と色分けして表示されているので、会計に慣れない人でも直感的にわかりやすいと感じました。

 勘定科目も、たとえば電話料金の引き落としなら「通信費」など最初から推測して提示してくれています。推測が適切であれば、そのまま「登録」ボタンを押すだけで、仕訳できます。修正が必要なら、右の「編集」ボタンを押して適切な勘定科目を選び直したのち「登録」を押します。

 取引件数が60件なら、勘定科目の選択に悩まなければ10〜15分程度で十分終えられそうです。

 推測された勘定科目の適否の判断を含め、勘定科目や処理方法(口座振替など)に関する知識は必要ですが、複式簿記でよく出てくる「借方」「貸方」を一切意識せずに会計処理を進められるのは気が楽です。パッケージソフトに比べて、スムーズかつ短時間で処理ができそうに思えました。