女優・神田沙也加が、11月に宝塚歌劇団を卒業したばかりの元宙組トップスター・朝夏まなと、とのW主演で東宝ミュージカル「マイ・フェア・レディ」(G2演出、2018年9月上演)に挑むことがわかり、話題となっている。朝夏はこれが退団後初のミュージカル。クリスマスに情報解禁ということで、神田はじめ各キャストが自身のブログなどで相次いで発表している。ファンにとっては何よりのクリスマスプレゼントとなったようだ。

 「マイ・フェア・レディ」はミュージカルの世界では定番中の定番。英国の劇作家ジョージ・バーナード・ショーの戯曲「ピグマリオン」をベースにしたミュージカルで、1956年にブロードウェイでロングランを記録、64年に製作されたオードリー・ヘプバーン主演の映画版もアカデミー作品賞を受賞し有名だ。ロンドン下町に住む下品で粗野な言葉遣いの花売り娘・イライザが言語学者であるヒギンズ教授の猛レッスンを通して貴婦人に変貌を遂げるという物語。

 イライザを神田と朝夏がそれぞれ演じるわけだが、神田の場合はヒギンズ教授を別所哲也、朝夏の場合は寺脇康文が演じる点も注目度大だ。すでに発表されたポスターのビジュアルを見ると、双方ともにキマりまくっており、舞台への期待が否応なしに高まる。

「マイ・フェア・レディ」、神田沙也加がやるなら観に行きたい、の声が続出

 「マイ・フェア・レディ」といえば、日本では大地真央が20年にわたり演じたことで知られる。その後も、元宝塚の霧矢大夢、真飛聖が演じてきた。大地もまた宝塚出身であることから、朝夏への期待感が高いのはもちろんのこと、今回、神田がキャスティングされたことにネット上では「ついにマイフェアレディで宝塚じゃない人が見れる!」、「神田沙也加やるのか!!それなら観に行きたい」など、早くも期待の声が躍っている。新たなイライザ、そして神田の新境地を見たいというファンは多いだろう。

 現在、市村正親主演のミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」に次女ホーデル役で出演中の神田。2001年、芸能界デビューはCM。その翌年には歌手としてシングル「ever since」をリリースと、当初は進むべき道を模索していたようだが、17歳の時に宮本亜門演出の「Into the Woods」で、赤ずきん役を射止めミュージカルデビューしてからは、一貫して舞台女優としてのキャリアを重ねてきた。当時、宮本は、オーディションにきた神田の様子について、「絶対に舞台女優になりたい」という意思を感じたと語っていた。

 2014年にはディズニー映画「アナと雪の女王」で声優として日本語吹替版アナ役を務め、第9回声優アワード主演女優賞に輝くなど、映画、アニメ、ゲーム、ラジオパーソナリティーとして幅広く活動をしているが、そのすべての経験が舞台にフィードバックされているといっていい。

 神田は自身のブログで、出演が決まった際の心境を振り返り、「このお話をいただいたのは『キューティ・ブロンド』のお稽古の最中で、マネさんのショートメールを開いた瞬間、悲鳴を上げて泣き崩れる、というプチ事件を起こしてしまいました。(その場にいたキューティのカンパニーのみんな覚えてるかな笑)」とつづっている。

 また、いつかやりたい役を聞かれると、ずっと「マイフェアのイライザ」と答え続けてきたという。

 「過去のblogにも記事があると思うのですが、このイライザ・ドゥーリトルは、わたしが敬愛する大地真央さんが長年つとめられた役で、それこそせりふも歌詞も暗記してしまうくらい何度も観劇し続けて、東京公演はもちろん、ひとり小さなキャリーを引いて地方まで遠征し観に行くくらい、大好きな作品・キャラクターでした」と、思い入れの深さは並大抵ではない様子。何よりも20年にわたり「マイ・フェア・レディ」を演じた大地をリスペクトしているという神田にとって、これまでのキャリアの集大成ともいえる作品になりそう。新たなイライザの誕生に期待したい。

 共演陣もピッカリング大佐に相島一之、ドゥーリトルに今井清隆、フレディに平方元基、ピアス夫人に春風ひとみ、アインスフォードヒル夫人に伊東弘美、そしてヒギンズの母に前田美波里と豪華だ。

(文・志和浩司)

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