53歳のミスター女子プロレスの神取忍が人類最強女格闘家のギャビに挑む

年末の総合格闘技イベント『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017』(29、31日・さいたまスーパーアリーナ)で人類最強女格闘家のギャビ・ガルシア(32、ブラジル)と対戦する女子プロレスラーの神取忍(53、LLPW-X)が26日、都内のLLPW道場で公開練習を行った。故ジャッキー佐藤との“シュートマッチ”や北斗晶との流血戦、天龍源一郎とのシングルマッチなど数々の名勝負を繰り広げてきた“ミスター女子プロレス”は、無敗のギャビに勝てるのか、それとも無謀な挑戦で終わってしまうのか。

 その右目にはスパーリングで「殴られてできた」という生々しい真っ黒なクマができていた。神取の本気度と積み重ねたギャビ対策の証だ。

「もう試合3日前。ここまできたらメンタルだけ。柔よく剛を制す。小さいものが大きいものを倒す。そこの部分を流す程度で、お見せする」

 神取は、そう説明しながら柔道着姿でリングに現れ、7月にシュートボクシングルールでギャビと対戦し無効試合に終わっていた柔道出身の総合格闘家、藪下めぐみを相手に気合の入った一本背負いを3本。かつて全日本体重別の66キロ級を3連覇するなどした元柔道の女王らしい技のキレを見せつけた。

 続けてギャビと身長、体重が同じという男性に顔面部分を20センチほど高くした特製のミットを持たせて、突き上げるような左ストレートから左右のボディフックというコンビネーションブローを披露した。
「実際よりも上の場所を想定しておかないと」
 写真撮影では、その仮想ギャビに後ろからスリーパーホールド。このときも「試合では後ろへ回れないけどね」とポツリ。その言葉の端々に、打倒ギャビの秘策を入念に準備していることがかいま見えた。
  
 186センチ、95キロのギャビに対して神取は170センチ、75キロ。格闘技の世界において、この体格差のハンディは、いかんともしがたないものがある。しかも53歳の神取にギャビは32歳。年齢差も21歳ある。ギャビは、ブラジリアン柔術の世界選手権で9度優勝、打撃の加わる総合は、まだ5試合だが、立ってよし、寝てよしの異次元の強さで無敗を誇る。下馬評では神取が圧倒的に不利。ファンの間では「怪我せずリングを降りられるの?」と無謀すぎる挑戦を心配する声まである。

 だが、神取は、そういう戦前予想を一蹴した。

「プロレスラーの怖さを思い知らせてやる。ギャビの心を折る」

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