楽天が携帯電話事業への参入を表明しました。大手3社の寡占に風穴を開けることが期待されていますが、楽天に勝算はあるのでしょうか。

写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ

 楽天は12月14日、自社回線を保有する形で、あらたに携帯電話事業に参入すると発表しました。携帯電話の事業者には、NTTドコモやソフトバンクのように、自ら回線を所有する事業者と、自らは回線を所有せず、ドコモなどから回線を借り受けてサービスを提供する事業者の2種類があります。楽天は、総務省が新規に割り当てる携帯電話の周波数について申請をする予定となっていますから、自ら回線を所有する事業者として市場に参入するわけです。

 楽天はこれまで小規模ながら携帯電話事業を行ってきました。ドコモなどから回線を借り受け、より安価な通信サービスを提供するという、いわゆる格安SIM事業です。11月にはフリーテルのブランドで携帯電話事業を手がけるプラスワンマーケティングの格安SIM事業を買収しています。

 しかし格安SIM事業は回線を借りるためにドコモなどに支払う金額と、利用者から徴収する金額の差額しか儲かりませんから、大きな利益を得ることはできません。またサービス内容や価格についても、借り受ける事業者のサービス内容や価格体系に大きく依存してしまいます。やはり本格的に携帯電話のサービスを提供するためには、自ら回線を所有する方がよいのは明らかでしょう。

 ただ、回線を持つ本格的な事業者ということになると、楽天の負担も相応に大きくなります。同社では2019年に約2000億円、2025年までに最大6000億円の借り入れを実施する方針です。楽天にはまだまだ財政的な余力がありますが、この規模の投資で済むという保証はありません。

 今のところ目標利用者数は1500万人となっていますが、業界トップであるドコモ(約7500万人)、2位のKDDI(約5000万人)、3位のソフトバンク(約3900万人)と比較するとかなり少ないというのが現実です。楽天としてはECサイトなどとのシナジー効果を狙いたいところだと思いますが、携帯電話単体として競争力を持つためには、もう少し高いシェアが必要となります。その場合には、さらに大きな設備投資負担が必要となってくるでしょう。

 基地局の機器類をリースで調達するなど、先行投資の金額を抑制する手段はありますが、最終的に何らかの形で資金負担する必要があるのは同じことです。楽天がかなり重たい会社になってしまうことは間違いありません。

(The Capital Tribune Japan)