ガス会社などが販売する家庭用ガス発電システムの低周波騒音による健康被害について、消費者安全調査委員会は「関連性は否定できない」とする報告書をまとめました。同委員会では、2014年に電力会社が販売する家庭用ヒートポンプ給湯機についても、同様の報告書をまとめています。

報告書をまとめた消費者安全調査委員会のサイト

 報道によると、報告書の対象となっているのは東京ガスなどが販売する「エネファーム」や「エコウィル」といった商品です。これらの家庭用ガス発電システムは、その構造上、100ヘルツ以下の低周波音を発生しますが、低周波の音が大きくなると、一部の人に不眠や頭痛といった健康被害が生じる可能性があると言われています。

 消費者安全調査委員会などに寄せられた原因調査の申し出や相談は73件あり、このうち27件について聴き取り調査を実施。さらに8件で現地調査を行ったところ、5件で運転音が症状に影響している可能性が高いことが分かりました。

 実は、同委員会は2014年にも似たような報告書をまとめています。この時に調査の対象となったのは「エコキュート」などの名称で販売されている家庭用ヒートポンプ給湯機です。ヒートポンプ給湯機も、室外機の構造上、比較的大きな音が発生する場合があります。現地調査の結果、低周波音が「健康症状の発生に関与している可能性がある」と判断されました。

 今回の調査結果を受けて調査委員会では、ガス会社やメーカーに対して運転音の低減を要請するとともに、こうした症状が発生する可能性について消費者に周知する必要があると指摘しています。また報告書では防音エンクロージャやANC(アクティブ・ノイズ・コントロール:能動的にノイズを消す技術)などを活用することで、条件によっては騒音を軽減できることも示しています。

 日本ではこのような低周波騒音に関して、まったく規制がない状態です(「参照値」が示されているのみ)。低周波音による健康被害は個人差が大きいと言われていますが、深刻な症状になる人がいるのも事実です。何らかの規制を加えることについても議論していく必要がありそうです。

 また、報告書でも指摘されているように、これらの問題は技術によってかなりの部分まで改善できる見込みがあります。騒音の軽減は、技術的な難易度が高い分野と言われていますが、日本は技術大国のはずです。こうした問題に対してメーカーは積極的かつ真剣に取り組んでいくべきでしょう。

(The Capital Tribune Japan)