協会は貴乃花親方で降格処分を下したがバランスを欠く処分にネットは炎上した(写真・アフロ)

日本相撲協会は28日、臨時理事会を開き、貴乃花親方の「理事解任」を評議委員会へ提案することを当事者の貴乃花親方を除く全会一致で決定した。評議員会は1月4日に臨時評議員会を開き、その解任提案を了承するかどうかを決めるが、協会寄りの評議員会が受け入れることは間違いなく事実上の「降格処分」。引退した日馬富士が起こした暴力事件の被害者側である貴乃花親方に「降格処分」が下されるという異例の結末となった。

 この日、会見を開いた危機管理委員会の高野利雄委員長は、理事解任(降格処分)を決めた理由として巡業部長として暴力事件の協会への報告義務を怠った点、協会による貴ノ岩に対する聴取を拒否するなど問題解決に非協力だったことの2点を挙げ、「理事としての忠実義務違反」と断じた。これらの“非”について貴乃花親方は文書による説明に加え、協会の聴取の際にも直接弁明をしたが、高野委員長は「極めて不可解な弁明」「危機管理能力を問われる問題」と論破した。

 この協会の貴乃花親方に対する処分を巡ってネットやSNS上では早くも様々な意見が飛び交っているが、「厳しすぎる」「異様」「納得がいかない」「おかしい」との声が大半を占めた。

 特に目立った意見が、ここまで行われた加害者側の関係者の処分よりも、被害者側の貴乃花親方の処分の方が重いという矛盾に対する批判だ。

 協会の懲罰規定には「懲戒解雇」「引退勧告」「降格」「業務停止」「出場停止」「報酬減額」「けん責」の7段階あるが、今回、貴乃花親方に下された「降格」は3番目に重い処分。

 暴行事件の加害者である日馬富士の師匠である伊勢ケ浜親方は、自ら理事の辞任を申し出て、結果的に「降格処分」となったが、今回の暴力事件の引き金を作り“黒幕”と目される横綱の白鵬は、1か月半の「報酬減額」だった。また協会の最高責任者である八角理事長も自ら3か月分の報酬返上を申し出たが、それらの処分に比べ「最も重い処分がなぜ被害者側の貴乃花親方に下されるの」と疑問を呈する意見が圧倒的だった。

 相撲ジャーナリストの荒井太郎さんも、「考えていたよりも重い処分。白鵬らが報酬減額処分だったことを考えれば、多少バランスに欠けるかなとも感じた」という意見。

 さらに「ただ降格は3つ目に重い処分だが、業務停止に比べると、稽古場の指導も、次の理事選挙への出馬も可能になる。実情としては、そこまで重い処分ではない。間をとって落としどころを探したようにも感じた」と続けた。

 理事会終了後の会見で八角理事長は、「1月場所の後に行われる年寄会の理事選挙に立候補することは可能」と明言しており、貴乃花親方が出馬すれば当選は濃厚で、理事降格処分は、事実上、1か月の謹慎のような形になる。もし一段階下の「業務停止」処分だった場合は、理事選にも立候補できず、部屋での指導もできなかったため実質は“軽い処分”だったというわけである。

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