高校サッカー注目の次世代ヒーロー候補4人

 年末年始を彩る風物詩のひとつ、第96回全国高校サッカー選手権大会が今日30日から首都圏の9会場を舞台に開催される。連覇を目指す青森山田(青森県代表)、インターハイに続く夏冬二冠に挑む流通経済大学柏(千葉県代表)を筆頭に、1月8日の決勝戦(埼玉スタジアム)での歓喜のシーンを目指して、熱き戦いに臨む全48校の中から4人の次世代ヒーロー候補をピックアップする。

 ■中村駿太
[FW/青森山田3年/172cm、66kg/モンテディオ山形内定]
 
 小学生から柏レイソルのアカデミーで育ち、年代別の日本代表に常に名前を連ねてきた中村駿太は18歳になる今年、この先のサッカー人生を見すえ大きな決断を下した。

 昨年度の第95回大会で、22度目の出場にして悲願の初優勝を果たした青森山田への転籍だ。まだ雪深い3月に新天地へ降り立ってから約10ヶ月。1トップのレギュラーと背番号「11」を実力で勝ち取り、最初で最後となる全国高校サッカー選手権の舞台に立つ。

 もともと高校サッカーへ憧れがあった。レイソルU‐15からU‐18へ昇格する際には、高校進学を希望した時期もあった。レイソルの外に飛び出して初めて身につけられる強さやたくましさがある、という思いを抑え切れなくなって意を決した。

 レイソル時代からフィジカルの強さを生かし、ボールを大事にするスタイルでゴールを量産してきた。青森山田ではロングボールのターゲットとなり、ボールを収めて味方が攻め上がる時間を作る術も身につけた。

 昨年の優勝経験者で、チームのお家芸・ロングスローの持ち主でもあるMF郷家友太(ヴィッセル神戸内定)とのコンビネーションも日に日に熟成されている。胸の鼓動を高鳴らせながら、2001年度の国見(長崎県代表)以来となる大会連覇へ挑む。

 ■安藤瑞季
[FW/長崎総合科学大学附属/171cm、64kg/セレッソ大阪内定]

 高校ナンバーワンの点取り屋として前回大会から注目されてきた長崎総合科学大学附属の安藤瑞季が、ひと回りスケールが大きくなって全国の舞台に帰ってきた。

 国見時代に高木琢也、大久保嘉人、平山相太ら後に日本代表入りするストライカーを育てた、名将・小嶺忠敏監督の薫陶を受けた秘蔵っ子。今年に入ってU‐18、U‐19、U‐20候補と3つの年代別代表に招集され、海外遠征などを通じてさらなる刺激を受けて成長した。

 2015年9月から監督として指揮を執る小嶺氏のもと、前回大会でベスト16、今夏のインターハイではベスト8と着実にステップアップしているチームの武器は、全盛時の国見をダブらせる圧倒的な走力と激しい闘争心。それらを最前線で繰り返し体現しているのが安藤だ。

 体のサイズは決して大きくないが、海外遠征でも通用したフィジカルコンタクトの強さを生かした突破力は、今大会に臨むストライカーたちのなかでも群を抜く。強引にシュートにもちこむ、ゴールへの執念も相手守備陣にとっては脅威となる。

 複数のJクラブが争奪戦を繰り広げた末に、大会直前になって卒業後のセレッソ大阪への加入が内定した。真冬でも半袖のユニフォームでプレーすることをモットーとするファイターは、優勝と大会得点王を視野に入れながら静かに牙を研いでいる。

■渡邊泰基
[DF/前橋育英(群馬県代表)/181cm 、71kg/アルビレックス新潟内定]

 Jリーグ全体を見わたしても、左利きの左サイドバックは希少価値。そこにサイズが180cmを超える選手となるとさらに人数は減ってくる。悲願の初Vを目指す前橋育英の渡邊泰基は、両方の条件を兼ね備えている。

 積極果敢な攻撃参加。前線で相手に当たり負けしない強さ。そして、左足には高精度のクロスだけでなく、強烈なシュート力も搭載されている。ゴールが欲しい状況では、相手ゴール前まで到達するロングスローも武器に加わる。

 前回大会は決勝で青森山田に0‐5で大敗した。渡邊を含めた最終ラインの4人をはじめ、7人の決勝経験者が3年生に進級して臨む今大会。インターハイ3回戦では渡邊の2アシストなどで青森山田を3‐1で撃破したが、選手権のリベンジは選手権でしか果たせない。

 新潟県で生まれ育ち、中学時代はアルビレックス新潟U‐15に所属した。ユースへ昇格する選択肢もあったが、高校サッカーで心技体を鍛え直したいと決意。名門校での日々が正しかったことは、複数のJクラブから届いたラブコールが証明している。

 そのなかから古巣のアルビレックスを選んだ、この年代では屈指の左サイドバックは、最後となる大舞台で左タッチライン際を何度も駆けあがる自分の姿を思い描いている。

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