#01 体に刻み込まれた戦争【リベリア】(※ショッキングな画像が含まれています)

(撮影:高橋邦典)

(撮影:高橋邦典)

(撮影:高橋邦典)

昨年半ばに思うことあって、報道写真の世界から退くことになった。5年近くにわたって続けさせていただいたこの写真エッセイも、今回が最後。25年のキャリアの中、様々な国に足を運び、多くの人々と出会ってきた。最終回は、特に印象に残る経験をいくつか紹介したい。
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ムスは、2003年にリベリア内戦を撮影している時に出会った少女だ。砲弾によって右手を切り裂かれ、血だらけになった彼女の姿に動転した僕は、慌てて彼女を病院に運びこんだ。写真を撮る前に人を助けたことなど、初めてだった。

リベリアの内戦は僕にとってカメラマンとしての転機でもあった。

毎日のように、ムスのような子供たちが傷つき、殺され、死体が山積みになった。人々はカメラの前で泣き叫び、国際社会に助けを求めた。彼らにとって、僕ら外国人ジャーナリストたちだけが、メッセージを世界に届ける頼みの綱だったのだ。

「こんな許され難い惨状を、アメリカや日本の人々に伝えなくては」

そんな、現場に立ち会う「報道カメラマンの義務」というものを思い知らされたのだ。

ムスをはじめ、家族を全て殺された子や、無理やり駆り出され兵士として戦った子など、内戦で傷ついた子供たちをその後も追い続けてきた。当時6歳だったムスは、もう20歳。今では町に戦争の痕跡は何も残らず、人々の戦いの記憶も薄らいでしまった。それでも、教育の機会を奪われ、少年兵として戦った子供達の多くは、いまだに社会の底辺で喘ぎ続けているし、砲弾で失った家族や、体の一部が戻ることもない。

彼らにとって、戦争の残した傷は、決して消えることはないのだ。そして僕の体内にも、リベリアの内戦は生々しく刻み込まれている。

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