トヨタ自動車がネット企業と組んで、新しい概念のクルマを開発しようとしています。トヨタは次世代車においてどのような戦略を練っているのでしょうか。

写真:ロイター/アフロ

 今月、ラスベガスで国際家電見本市(CES)が開催されましたが、トヨタ自動車は同展示会において、次世代型電気自動車(EV)のコンセプトカー「e-Palette Concept」を出展しました。コンセプトカーとは自動車メーカーが展示目的で生産した車のことで、実際に販売されることはありませんが今後の製品の方向性が示されることから、多くの関係者が注目しています。

 「e-Palette Concept」の最大の特徴は、多目的に使えるよう柔軟な設計が採用されたことと、各種ITサービスとの連携が前提になっていることです。

 クルマとITサービスの連携といえばライドシェアになりますが、初期パートナーとしては米ウーバーと中国滴滴の参加が決まっています。車体は小型バスのような形状で、ドアは自動の両開きですから、1人だけを乗せるのではなく、数人が相乗りすることを想定しているようです。EVなのでエンジンがなく、床もフラットですから自転車を乗せることも可能です。

 人ではなくネット通販の荷物を載せたり、外食のデリバリーに活用することもできます。さらには移動型の店舗としての活用も想定されているようです。ネット通販企業ではアマゾンが、外食ではピザハットが実証実験に参加する予定となっています。

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 ITと連動した自動運転車の場合、1台のクルマを単独の用途に限定して使う必要はありません。ある倉庫からコンビニに荷物を運んだ後、近くにライドシェアを希望する利用者がいれば、そのクルマはトラックからタクシーに変身します。ライドシェアの客を降ろした後に、外食の配達人が乗り込めば、デリバリーカーに早変わりです。空き時間には勝手に充電ステーションに移動して電気を蓄えることもできるでしょう。

 トヨタはこのクルマの制御について仕様を公開し、どのような自動運転システムでも接続できるようにするとしています。このような形であれば、想像もしなかった使い道を様々な事業者が考え出すことができます。

 トヨタにはハイエースというロングセラーの商用バンがありますが、このコンセプトカーは、自動運転時代を見据えた近未来型ハイエースといったところでしょう。

(The Capital Tribune Japan)