人口減少という課題に取り組む際の国と地方の役割分担について話す中村知事=愛媛県東京事務所(撮影:徳山喜行)

 日本の総人口が減少に転じた中、人口減少の自治体をどのように舵取りしていくのかを尋ねた首長インタビューで、愛媛県の中村時広知事は、国と地方の役割分担が「中途半端にしか行われていない」とし、国は外交や安全保障などといった役割に特化し、「それ以外は現場を知っている地方に委ね、財源を移してほしい」と訴えた。

 また、愛媛だけではなく、日本全体が人口減少に直面しているとし、「県のレベルでできることを一生懸命やっている状況だが、国としてどうするのか。これは外国人の移住も含めて、考えるときが来ている」と語った。

【連載】人口減少時代

 愛媛県は平成27(2015)年の国勢調査によると、人口は138万5262人。昭和60(1985)年の約153万人を境に減少を続けており、このまま推移した場合は2060年には81.4万人になると推計されている。

 こういった長期にわたる人口減少の要因について、中村知事は、「東京一極集中という言葉に象徴されるように、若者の転出超過が全体の人数を減らす大きな要因だ。大都会への憧れというものが、学生たちの就職先、進学に直結した」、「一時は東京に全てが目を向けるというような時期が続いていたのが原因だった」と説明。

 その上で、婚活支援や子育て支援に力を入れてきたという。平成20年から他県に先駆けて婚活支援を始め、個人の性格や好みといった情報などを集めた「ビッグデータ」を活用することで、これまで約900組が成婚した。これにより結婚年齢の上昇が止まったと見ているという。

 また、紙おむつの生産メーカー3社が県内に工場を持っていることを生かし、各社から協賛金を得たうえで、第2子以降の出生世帯を対象に、約1年分の紙おむつが購入できるクーポンの配布も実施しているとした。

 中村知事は「愛媛らしいアイデアをもって何ができるか」を重視した上で、人口流入促進や人口流出抑止に取り組んでいると力説した。愛媛県は、平成27年に策定した「人口ビジョン」で、2060年の推計値81.4万人より最低でも25%(20万人)以上の上積みを図ることを目標として掲げている。
 

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