人口減少社会について語った中村知事(撮影:徳山喜行)

 平成27(2015)年の国勢調査から、日本が人口減少局面に入ったことが明らかになりました。かつてない規模と速さで進む人口減少を、自治体の首長はどのようにとらえ、どのようなビジョンで舵取りしていくのか ── 。約30年前から人口減少傾向が続いている、愛媛県の中村時広知事に、人口減少時代との向き合い方や、国と地方の関係のあり方などを尋ねました。(2017年12月末取材)

男性が家事・育児へ参加している家庭のほうが出生人数が多い

 ──愛媛県で人口減少を食い止めるために努力してきたこと、ポイントは(続き)。

 (婚活支援のほかに)、もう一つは、世に言うイクメン、家事を男性が手伝って一緒に協働していくというライフスタイルの支援です。これもデータで分析しますと、男性のそういった家事等々への参加、育児等々への参加をしたところのご家庭と、全く任せきり、奥様に任せきりのご家庭とを比べますと、出生人数が全然違うんですね。ですから、イクメンを実施されているところのほうが、子供が2人、3人、4人とふえていくというのはデータ上ではっきりしてきたということも注目すべき点だと思います。

 ただ、愛媛県では、ほかがやったことと同じことをやるつもりは全くないので、イクメンというのはもう世に知られていますから、それを二番煎じでやってもつまらないと。愛媛県では、イクメンというよりは、そこに地域のこと、家庭のことだけではなくて地域のこと、地域の活性化であるとか地域のPR、ふるさとのためにも頑張ろうという視点を入れて、それを付加したライフスタイルを「ひめボス」と名づけまして、愛媛のひめ、「ひめボス」宣言、イクボス宣言ではなくて「ひめボス」宣言という形で広めています。もう300社ぐらいの企業に協力していただいていまして、全自治体、企業等々で、この輪を広げて、これも出生率の上昇につなげていきたいと思っています。

 ──具体的に「ひめボス」宣言した場合って、どういうことをされるんですか。

 それぞれの職場であるとか、地域で行いますけれども、年に1回、コンテストをやることにしています。2018年に初めてコンテストを行うんですけれども、要は、うちの職場ではこういうことをやりましたと、こういうことで若い人たちが働きやすい環境をつくりましたということを採点して表彰する制度を、楽しく競うという観点で実施する運びとなっています。

 ──これは、地域活性化とワークライフバランスみたいなものを組み合わせたような職場環境の整備だと。

 そうですね。そのとおりです。はい。

 ──婚活事業や、「ひめボス」事業で、データ分析を活用していますが、当時は、そういうデータを活用した婚活事業というか、されている自治体はあまりなかったんですか。

 ないです。全くないです。私も提案が上がってきたときに、果たしてこれで実績がつながるんだろうか、ある程度投資をしなければいけない。でも、そのときに、担当者が異口同音に言ったのが、必ず(成果を)出してみせますということを言っていましたので、ゴーサインを出したんですけれども、見事に期待に応えてくれましたね。

 ──「ひめボス」のほうは、いつぐらいからされているんですか。

 2017年です。

 ──ワークライフバランスだったりとか、男性が家庭に参画できるようなことというのも、出生率に関係するという着眼点ですか。

 はい。婚活事業でのビッグデータ活用は5年ぐらい前からですから、もっと早いですね。

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