ボカープ地区。カラフルな町並みに惹かれ観光客が訪れる

 成田から香港経由でヨハネスブルグ、O.R.タンボ国際空港に着いた。国内線のケープタウン行きに乗り継ぐ合間、ふと空港内のトイレに入った。海外では珍しくピカピカに清掃されたトイレに少し驚いた。「ようこそ、私の美しいオフィスへ」とモップがけをしていた若い黒人男性が手を止め、海外からの旅行者に笑顔を振り撒いていた。

 最近、日本からの観光客数を伸ばしている。長かったアパルトヘイト(人種隔離政策)の歴史を克服し、さらに貧困格差、治安の問題を克服すべく動き出した南アフリカ。政府も今、観光産業に力を注いでいる。

 雄大な自然、そこに生きる野生動物を目当てに、“一生に一度は訪れたい”と言う旅行者も多い。多くの民族と言語、文化から成り立ってきたことから“虹の国”と呼ばれている南アフリカ共和国を旅した。

フォト・ジャーナル<大自然と人 “虹の国”南アフリカへ>倉谷清文第9回

アデレー・ストリートの花売り。珍しい南アフリカ固有の花が並ぶ

 ケープタウン中心部の西側シグナルヒルの斜面にあるボカープ地区。目に眩しいほど鮮やかなパステルカラーの家々が建ち並んでいる。その美しさに惹かれて、世界中から観光客が訪れるケープタウンの観光名所である。

土曜日、大勢のお客さんで賑わうマーケット=オールド・ビスケット・ミルにて

 かつてオランダ人によってインドネシアやマレーシア、その他のアフリカ諸国などから労働者として連れてこられた人々、ケープマレーの子孫が多く暮らす居住区である。

 カラフルな家屋になった起源には、強制労働から解放された喜びを表したとか、似たような形の家が並んでいたため識別しやすいように、といった説があるそうだ。

 家主の気分なのだろうか、数年前に見た町並みの写真と配色が変わっている家も何軒か見受けられた。(つづく)

(2017年11月撮影・文:倉谷清文)

※この記事はTHE PAGEの写真家・倉谷清文さんの「フォト・ジャーナル<大自然と人 “虹の国”南アフリカへ>倉谷清文第9回」の一部を抜粋しました。

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