[写真]平昌五輪開会式への出席を表明する阿部知事

 長野県の阿部守一知事は、2月9日から始まる韓国の平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開会式に出席する方針を固め、19日の定例会見で明らかにしました。平昌のある江原道(カンウォンド)と長野県は友好関係にあり、五輪開会式への招待に応じる形。慰安婦問題をめぐり日韓関係が悪化する中、同知事は「国の外交の課題とは別に、地方自治体や草の根レベルで協力関係をつくっていくことは必要だ」としています。

地方自治体の「草の根レベルの交流必要」

 県によると江原道と長野県は、2016年に友好交流協約書を締結。交流を続ける中でかねて平昌冬季五輪の開会式に阿部知事が招待されていました。

 会見で阿部知事は「平昌冬季五輪への出席について(知事は行くのかどうか)問い合わせもあったが、開会式に出席することにした。国際儀礼を尽くすとともに江原道とさらに友好を進め、未来志向で交流を進めていきたい」と述べました。

 訪韓の日程は2月9日から11日までで、県の予算編成期ではあるものの、週末の利用で無理のない海外訪問になるとしています。9日の開会式に出席し、10日は江原道の知事や2022年北京冬季五輪の会場になる中国・河北省の副省長と懇談。11日は江原道からソウル経由で帰国の予定。関係部局の職員4人が随行します。

 現地の五輪関係のイベントでは長野県から大正琴の公演や観光ブースの開設などを予定。長野県の文化や観光情報などを紹介します。

 「外交とは別だとのことだが、日韓関係が悪化する中で訪韓を決めたのはなぜか」との質問に、阿部知事は「国の外交には難しい課題もあるが、地方公共団体(地方自治体)や草の根レベルの交流では外交とは違う形で協力関係をつくっていくことが必要だ」と説明。

 また、冬季五輪の開催が迫る平昌と、20年前に長野冬季五輪を開いた長野県、4年後に開く北京・河北省の3都市・地域の知事らが現地で交流する意義を踏まえて、「長野としては冬季五輪の経験を伝えることや冬季五輪関係の2都市・地域との関係、協力態勢などを総合的に勘案し、江原道の招待に応えることにした。東アジアで連続して五輪が開かれることでスポーツへの関心が高まる。そのためにも長野県は協力していきたい」との趣旨を説明しました。

 日韓関係の悪化、北朝鮮の動向などで安倍総理の平昌冬季五輪出席の是非が注目される中、長野県は慎重に検討。外交や国政に直接関与しない地方自治体の立場から、招待を受ける判断をしたと見られます。


■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説