5場所連続休場となった横綱・稀勢の里は引退すべきなのか?(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

横綱・稀勢の里が19日、初場所をついに休場した。18日の嘉風との取り組みで敗れて場外に転落した際に去年の春場所で痛めた左胸を再度、怪我したもの。5日目までに3日連続で“金星”を献上、1勝4敗と大きく負け越していながらも「最後までやり抜く」と決意を語っていたが、左大胸筋損傷及び左胸打撲で全治3週間の診断を受け5場所連続6度目の休場となった。5場所連続休場は、2003年に6場所連続休場した武蔵丸以来、14年ぶりの“醜態”である。横綱が5日までに4敗するのは1953年3月場所の千代の山以来65年ぶりだった。

 ネット上では「もう限界」「勝てなければ引退するしかない」「心技体が崩れている」「無理して居座り続ける必要はない」「相撲内容が横綱らしくない」「気迫がない」「こんなに休場する横綱は責務を果たしていない」などという“引退論”が駆け巡っている。

 もう稀勢の里は限界なのか。引退すべきなのか。

 相撲ジャーナリストの荒井太郎氏は、こんな意見だ。

「厳しい状況に追い込まれていることは確かです。以前までの横綱からすれば信じられないほど、下半身の脆さが際立った相撲が少なくありませんでした」

 4日目の琴奨菊戦では突き落としでひっくり返され、5日目の嘉風戦でも簡単にもろ差しを許して本来の土俵際での粘りをまったく見せることができないまま土俵を割った。
 7月で32歳。左上腕、左胸の故障の影響だけではない“衰え”“弱さ”が際立つことは確かである。

 前出の荒井氏は、こう敗因を分析している。

「今場所前には、一日30番、40番と、稽古を積むことができていましたが、おそらく、その疲労の蓄積もあるのではないかと推測します。 20代の頃の肉体と30代の今の肉体では疲労の回復度が違います。年齢と共に変化しているものに調整法も含めて追いついていくことにまだ試行錯誤しているのかもしれません。元々は、怪我に強いことで有名でした。責任感と共に、本人にも乗り切れる自信があったんだと思うんです。無尽蔵のスタミナも稀勢の里の持ち味でした。でも30代の稀勢の里は、以前の稀勢の里とは違います。本人も、その感覚と現状とのズレに戸惑っているようにも見えます」