新幹線の料金が高いというホリエモンとひろゆき氏の主張が話題になっています。日本は運賃が高く移動がしにくくなっているともいわれますが、新幹線の料金は高すぎるのでしょうか。

ペイレスイメージズ/アフロ

 ホリエモンこと堀江貴文氏とひろゆきこと西村博之氏は雑誌の対談で、東海道新幹線の運賃が高止まりしていると指摘しています。ひろゆき氏は現在、欧州に住んでいるそうですが、フランスのパリからベルギーのブリュッセルまでの鉄道運賃は事前予約であれば3500円程度と説明しています。パリからブリュッセルまでの距離は約300キロですから、東京-名古屋とほぼ同程度です。東京-名古屋の新幹線料金は約1万1000円(のぞみ・指定席)ですから、同じような距離でこれだけ価格が違うということになると、やはり日本の運賃は高いといえるでしょう。

 欧州では国民に移動する機会を与えることが重要視されており、各国の鉄道会社では多くの割引運賃を提供しています。フランスには日本の新幹線に相当するTGVとよばれる高速鉄道がありますが、条件次第ではかなりの低価格で乗車が可能です。最大で新幹線の5分の1程度の料金になるため、低所得の若年層を中心に人気を博しています。

 日本の交通機関は政府が意図的に寡占状態を作り出したことで競争がなく、料金が高止まりしているという両氏の主張は事実といってよいでしょう。JR東海は新幹線が生み出す利益をリニアの開発に充当する形になっていますが、リニアを開通させても東京-名古屋間の乗客が大きく増えるわけではなく、同社では開通後は減益になると予想しています。

 高度成長期であれば、各種インフラの開発が景気を刺激するというメリットもありました。しかし近年ではこうした効果も薄れており、逆に運賃が高いことの弊害の方が目立つようになっています。幹線鉄道の旅客数の7割以上が40歳以上といわれますが、全国における40歳以上の人口比率は6割程度しかありません。高い運賃が障壁となり、所得の低い若年層の移動が困難になっている可能性があるわけです。

 ネット社会の到来で、以前より移動する必要性は少なくなりましたが、それでも人の移動と経済成長には密接な関係があります。日本では過去10年で、鉄道輸送は9%、航空輸送は0.9%しか増えませんでしたが、欧州(英、独、仏、伊)では、鉄道輸送が19%、航空輸送に至っては27%も増加しました(鉄道は人キロ、航空は旅客数での比較)。移動しやすい環境を作ることは経済にとって確実にプラスの効果をもたらします。若年層の支援策として、移動のサポートという考え方があってもよいかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

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