中日が23日、ナゴヤ球場の室内練習場で前ソフトバンク、松坂大輔(37)の入団テストを行い、即合格、契約を結んだことを発表した。入団テストは関係者以外をシャットアウトした厳戒態勢下で行われ、キャッチボールを12球、キャッチャーを立たせたままのピッチングを22球披露。ピッチングを途中で終了させた森繁和監督が「このままずっと見ていたい気持ちになりました」と一発合格を決めたもの。年俸は1500万円プラス出来高払いで背番号は「99」に決まった。

 松坂自身は、この日の会見で、開幕ローテー入りを目標に立てていることを明らかにしたが、プロ20年目を初のセ・リーグで迎えることになった“平成の怪物”は、果たして復活できるのか。

 中日が松坂に期待しているものはよくわかる。

 昨年のチーム防御率4.05はリーグワースト2位。先発防御率はさらに4.10と悪く、先発ローテとして20試合以上先発したのは2人しかおらず、2桁勝利をマークした投手は一人もいない。エース左腕の大野が、一応の勝ち頭だが、7勝8敗で負けが先行して防御率は4点台。加えて23試合に先発した6勝9敗のバルデスが退団、6勝4敗のジョーダンはヤクルトへ移籍した。

 新外国人としてメジャー通算51勝利のディロン・ジーを約1億9000万円もかけて獲得したが、外国人だけはフタを開けるまでわからない。3年目の小笠原や2年目の柳のドラフト1位コンビに、2桁復活を狙う若松、存在感を示しつつある鈴木らの若手を使いたいところだろうが、彼らも未知数。ベテラン吉見が1年間ローテを守れるかどうかという問題もつきまとう。

 森監督は「(松坂に)10勝しろ20勝しろとは言いません」とコメントしたが、松坂が「6回3失点」のクオリティスタートを守れるならば、そこに割り込む余地は十分にあるのだ。

 森監督は「松坂世代」という言葉を作った松坂が、若手に与える刺激や“コーチ役”としての影響力をも口にしたが、加えて閑古鳥が鳴くナゴヤドームの観客動員アップの起爆剤としての期待がある。
 松坂の先発が予告されれば、2006年10月7日のプレーオフ・ファーストステージ開幕戦のソフトバンク戦で完封勝利して以来となるNPB復活勝利の瞬間を見たいというファンは、こぞってナゴヤドームに駆けつけるだろう。この日でさえ、メディアは100人近く殺到した。もし感動の復活ストーリーを成就させられれば、大騒動に発展することは間違いない。それは5年連続Bクラスのチームに刺激を与えることになる。

 だが問題は松坂の現在地である。