[写真]昨年1月に就任演説を行ったトランプ大統領(中央)。初となる一般教書演説では何を語るのか。右端はオバマ前大統領(ロイター/アフロ)

 アメリカのトランプ大統領が現地時間30日午後9時(日本時間31日午前11時)から、首都ワシントンにある連邦議会の上下両院合同会議で、就任後初となる一般教書演説を行う。1時間程度で予定されている演説の中で、トランプ大統領は議会内の議員らや、テレビ中継を見守る国民に対し、これからの内政と外交における基本方針について語る。昨年1月の大統領就任時にはアメリカ第一主義を声高に叫び、「アメリカを再び偉大な国にする」と国民に呼びかけたトランプ大統領だが、この1年の支持率は30パーセント台後半から40パーセント台前半を推移したままだ。昨年と比較して政策面で大きな変化はあるのか、支持率低迷から抜け出すために秘策が語られるのか。初の一般教書演説に注目が集まっている。

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テレビを意識し演説開始時間が変化

 一般教書演説は慣例として1月最後の火曜日に行われており、1年の初めに大統領が連邦議会の上下両院の議員らに向け、アメリカの現状に関する大統領の見解と、これからの政策方針について語るというものだ。基本的にアメリカの大統領は連邦議会に出席する権利を持っていないため(例外となるケースはあるが)、この日は非常に特別なイベントと考えられている。昨年1月に大統領に就任したトランプ氏は就任演説を行っているが、一般教書演説は彼にとって初となる。

[画像]1ドル紙幣の初代大統領ワシントン(アフロ)

 一般教書演説の歴史は長く、1790年に初代大統領のワシントンが当時のアメリカで暫定的な首都となっていたニューヨークで初めて行った。ワシントンDCで連邦議会が初めて開催されるのはその10年後となる、1800年のことだ。第3代大統領ジェファーソンは施政方針を演説ではなく、書面で議員らに送るスタイルを採り、その慣習は1912年まで続いた。1913年、当時のウィルソン大統領によって施政方針演説は復活。演説の名前が現在の「一般教書演説」となったのは、フランクリン・ルーズベルト大統領時代の1934年。以降、この名前がずっと使われている。

 スポーツの試合のように、テレビ視聴者を意識して、演説開始の時間が変わっていった歴史は興味深い。当初は国民が演説や書面で大統領の施政方針をすぐに知ることは困難であったが、1923年に当時のクーリッジ大統領の一般教書演説が全米のラジオで流された。1947年当時のトルーマン大統領によって行われた一般教書演説は初めてテレビで放送され、やがてテレビで一般教書演説を観る国民が増えてくると、1965年からは一般教書演説が夜に実施されるようになった。現在は首都ワシントンの現地時間で午後9時からのスタートとなり、2000年代にはブッシュ大統領時代からウェブでのストリーミング放送も行われるようになった。