「顧客の前でキーボードを打つな」と上司に怒られたという話がネットで話題になっています。日本では何十年も前から新しい機器が普及するたびにそのマナーについて感情的な論争が行われてきました。今回も同じことの繰り返しになりそうです。

写真:アフロ

 話題となった投稿は、顧客との面談中にパソコンでメモを取るという行為について、上司から顧客の気分を害するのでやめるよう注意されたという話です。

 PCの場合、カタカタと音がすることや、タブレットでも画面の方を見ることが多くなるので、相手の話を聞いていないという印象を与えるというのがその理由のようです。これに対して、手帳にメモを取ることと何が違うのかといった反論の声も上がっています。

 新しいツールが出てくると、その使用方法について感情的な議論になるのはいつものことです。電子メールが普及し始めた1990年代には、重要な案件の場合にはメールと同時に電話をするべきかといった話や、最近ではメッセージングで欠勤の連絡をするのがアリかといった論争、さらにはスマホの写真機能でホワイトボードを撮影してメモ代わりにすることの是非などがネットで話題となっていました。

 すべての話に共通することですが、ビジネス上の振る舞いに絶対的なルールはありません。どんなやり方もアリですが、逆に言えば、相手に不快な気持ちを与える場合には、どんなやり方もアウトといってよいでしょう。少なくとも今回のケースについては、営業の現場と思われますから顧客の方が立場は上です。キーボードの音で顧客の気分が害されると上司が判断したのであれば、それに従うのが組織のルールということになります。

 また同じキーボードを使うにしても「彼にPCでメモを取らせますがよろしいですか?」と確認するという方法もありますし、その部下も顧客とのミーティングが始まる前に、メモの取り方や役割分担などについて上司に一言確認しておくといった気配りが必要です。

 結局のところ、こうした話はデジタル化が云々ということではなく、仕事がデキるかどうかという話に収束してくるでしょう。仕事がデキる人は、上司や顧客がデジタル派であればITツールを積極的に使って好感度をアップさせますし、そうでない相手の場合には状況について配慮するはずです。その場にふさわしい最適な選択を行うことは、ビジネスパーソンにとってもっとも重要なスキルです。

(The Capital Tribune Japan)

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