まだ正式出場はアナウンスされてない羽生は米メディアのメダル予想では銀だった(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

平昌五輪開幕を目前に控えて、各メディアやブックメーカーのメダル予想が熱を帯びてきた。その中で米国で権威のあるスポーツ専門誌「スポーツイラストレイテッド」(スポイラ)がメダル予想を紙面上で行った。五輪前に行われるスポイラのメダル予想は、毎大会、恒例のもので海外メディアの第三者的な観点は、ひとつの参考にはなる。以前、スポイラにどうやってメダル予想を行っているかを取材したことがあるが、専門家の意見などを聞き取り、それぞれの部門の専門記者が書く根拠のある予想になっているという。

 今回のスポイラ予想による日本のメダル獲得数は「金」が3個、「銀」が4個、「銅」が7個の合計14個。ソチ五輪では「金」1個、「銀」4個、「銅」3個で計8個だったから大幅に増える予測となっている。過去最多が1998年の長野五輪の10個(金5、銀1、銅4)。もしスポイラの予想通りになれば過去最多のメダル獲得数になる。JOCは「複数の金を含むメダル獲得9個以上」を目標に掲げているので、予想が的中すれば、目標も大幅に更新することになる。

 金予想の3つはいずれも女子のスピードスケート。

 選手団の主将も務めるエースの小平奈緒(31、相澤病院)がW杯を含む公式戦で24連勝中の500メートル、昨年12月のW杯で世界新記録を樹立している1000メートルで2冠。1500メートルでは今季4勝の高木美帆(23、日体大助手)が金予想されている。そして500メートルでは、郷亜里砂(30、イヨテツク)が銅、1000メートルでは高木も銀予想。またチームパシュート(高木美帆、菊池彩花、佐藤綾乃、高木菜那)も銀予想でメダルラッシュが期待されている。

 注目の男女フィギュアスケートの予想では、金は“4回転の申し子”ネイサン・チェン(米国)で、連覇を狙う羽生結弦(23、ANA)は、銀予想となった。昨年11月のNHK杯の公式練習で右足首を痛め、その怪我の影響で以降の大会を欠場した。実績から五輪代表に選ばれたが、シングルスの前に行われる団体戦欠場が明らかにされ、まだ正式なシングルスへの出場はアナウンスされていない。いずれにしろ、ぶっつけ本番での勝負となるが、その故障の影響も、銀予想につながったのか。だが、銅は宇野昌磨(20、トヨタ自動車)で日本は表彰台を2つ占める予測となっている。

 スポイラが別企画で、長野五輪女子シングルス金メダリストのタラ・リピンスキーさんにインタビューしたところ“タラちゃん”も、ネイサン・チェンの優勝を支持している。

「男子フィギュアのネイサン・チェンは見るべき選手の1人。金メダル最有力の1人です。信じられないほど素晴らしく、彼は、演技の中に難易度の高い4回転ジャンプを加えることで米国の男子スケートに革命をもたらしました。今では世界中の選手が彼に追いつこうとしています。4回転ループを初めて取り入れました。4回転キングと呼ばれるゆえんです。彼は平昌五輪で他選手の脅威となることは間違いありません。2年前に『ネイサン・チェンが表彰台に立つだろう』と、考えていた人は多くなかったけれど、今では、表彰台のみならず、金メダルを狙っています。あれほど難しいジャンプをこなすのだからプレッシャーもかかっているはずなのですが」

 5種類の4回転を持つネイサン・チェンは全米選手権では安全策をとって3種類に抑えたが、フリーでは最大6つの4回転を入れるプログラムも用意されており成功すれば技術点では群を抜く。

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