[画像]日産NOTE e-POWERはエンジンが駆動を受け持たず、発電専用となっている。これが当初考えられていたより大きなインパクトを自動車産業に与えようとしている

 自動車業界は100年に一度の大変革が訪れていると言う。GoogleやApple、Amazonなど、新しい業態のプレイヤーが自動車産業への参入を始めつつある今、自動車産業はどうなって行くのだろうか?

 ハードウェアとしては電気自動車とハイブリッドなどの電動化があり、知能化としては自動運転やコネクティッドがあり、サービスとしてはカーシェアなどを始めとするMaaS(Mobility-as-a-Service)がある。(モータージャーナリスト・池田直渡)

【画像】日本のエンジンはまだまだ進化する 将来のクルマの電動化支える3つの技術

「全部これ一つ」ではない多様な未来

 一時ほどの勢いはないものの、巷では内燃機関を一切使わないバッテリー電気自動車(BEV)が世界を席巻し、運転は自動化、そしてクルマは個人が所有しなくなる。そんな未来が囁かれている。

 だが現実はそんなに簡単ではない。全てのクルマを純電気自動車(BEV)にするだけの発電設備はまだ世界には存在しないし、全てをBEVにするだけの量のバッテリーは全世界のバッテリーメーカーが総力を結集しても生産できない。自動運転を成立させるには法律や保険、社会制度を一新しなくてはならない。MaaSにしても都市部はともかく過疎地でビジネスが成立するとは思えない。

 まずは単一未来という考えを止めるべきだ。「全部これ一つ」と考えるのは単純で分かりやすいが、現実はそうならない。内燃機関だってガソリンとディーゼルが混在してそれぞれ最適な場面で使われている。

 BEV化はゆっくりと進むが、まだ時間がかかる。その間をどうするのか? 世界のコンセンサスは脱炭素であり、それが正しいことになっている。「準備ができていないから今まで通り」と言うわけにはいかない。

 しかし一方で気候サイクルとして地球は今寒冷化に向かっているという。人類にとって、寒冷化と温室効果ガスの綱引きがプラスに働くのかマイナスに働くのかは実は分からない。分からないけれど、CO2は地球を温暖化させる働きがあることだけははっきりしている。しかしそこから先、人類の活動によるCO2が実際の気温上昇にどの程度影響しているのか、例えばエルニーニョ現象のようなもの、あるいは火山活動による温室効果ガスの発生の影響と峻別して、経済活動由来の温室効果ガスの影響が大きいのかどうかは何とも言えないのである。さりながら今われわれは常識として脱炭素に尽力することが責任ある姿だとされている。