シャーロット・ケイト・フォックス(2015年8月撮影:志和浩司)

 「私はピンクペンギンです!」のコメントとともに、ピンク基調のウェットスーツ姿で両腕をパタパタ、身体を左右に揺らしながらカメラに寄ってくると、突然スッと画面下に消える。5日、シャーロット・ケイト・フォックスが仕事先の北海道の雪景色のなか、そんなおどけた動画をインスタグラムに投稿した。

 「最後どうしたの?大丈夫?」「こけた?」といった心配のコメントも寄せられたが、「きゃわいい!」「とってもキュート」とおおむね好評だ。NHK朝ドラ「マッサン」でブレークした金髪の美人女優シャーロットが、来年に向けて再ブレークの兆しだ。

 1985年、アメリカはニューメキシコ州サンタフェ出身。日本でその名が知られたのは2014年、「マッサン」で外国人として初めてヒロインを演じたことからだ。日本に来たこともなければ日本語も話せないまま臨んだオーディションだったが見事合格、ニッカウヰスキー創業者の妻・竹鶴リタをモデルとしたエリー役を好演した。日本人の夫(玉山鉄二)を一途に愛する姿は視聴者の琴線に触れ、同ドラマの大ヒットとともに一躍ブレークした。

 その後もニューヨーク、東京、大阪でミュージカル「CHICAGO」のロキシー役を演じるなど話題を提供し続けてきたし、民放ドラマや邦画出演、日本語での舞台初出演、CM出演と、けっして活動が停滞していたわけではなかった。しかし、日本の作品ではなかなか白人女性が自然にフィットするシチュエーションが少ないこともあるのか、「マッサン」の時ほどには注目を集めるに至っていない感が否めなかったのも事実だろう。

2019年のNHK大河ドラマに出演決定

 そんなシャーロットだが、ここにきてがぜん、注目度が上昇傾向にある。昨年11月、民放の人気ドラマ「ドクターX外科医・大門未知子」第7話に元凄腕外科医役でゲスト出演したのも話題を呼んだが、同じ11月、2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」に出演決定したことが発表されたのだ。役どころは、竹野内豊が演じるストックホルム五輪日本選手団監督・大森兵蔵の妻、安仁子役だ。兵蔵は、アメリカ留学し日本にバレーボールとバスケットボールを持ち込んだパイオニアといわれる人物で、安仁子はアメリカ人の令嬢で画家だが、ハウスキーパーだった兵蔵と大恋愛の末に国際結婚し来日する。2020年開催の東京オリンピックに向けての大河であり、機運が高まる中、ドラマも盛り上がること必至とみられる。

 プライベートでは2014年の来日時には結婚していたアメリカ人の舞台演出家、ジョン・ポール・ムーア氏と2016年のはじめに離婚している。日本での活動を基軸にし別居生活が長期に及んだことが原因ではないかともいわれている。それだけ、日本での芸能活動に賭ける思いは強そうだ。

 事実、「マッサン」のあと、民放ドラマに初主演した際に筆者がインタビューしたときも、「日本はいつまでも私の中で大きな存在です。日本でずっと仕事をし続けたいと思っています。クリエイティブなメンバーと、いい物語を伝えていくことは、どこにいても変わらないじゃないですか」と話していた。日本での芸能活動の本気度を物語るように、前述の「ドクターX」でも主演の米倉涼子が同番組の公式サイトに「シャーロットは日本的で繊細な感覚の持ち主。日本語も上手で、ちょっとしたニュアンスの日本語アドリブが飛び出したときは驚きましたし、スゴいなって感服しました」とコメントをしている。日本語の表現も、着々とスキルアップしているようだ。

 ピンクペンギンの動画でおどけて見せたシャーロット、次は大空に羽ばたくか。

(文・写真:志和浩司)

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