本戦への出場権を得た葛西紀明(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

平昌五輪の正式な開幕を前にスキージャンプ男子ノーマルヒルが8日、アルペンシア・ジャンプセンターで行われ、冬季五輪史上最多となる8度目の五輪出場を果たした葛西紀明(45、土屋ホーム)は98メートルを飛び、117・7点の20位で50位以内が条件とされる予選を通過し、10日の本戦への出場権を得た。

 ジャンプ成功時点で、8度目の五輪出場が公式記録として刻まれたことになったが、このレジェンドの快挙を海外メディアも、大々的に特集を組んで取り上げた。

 USAトゥデイ紙は、「今夜、五輪開会式で大会は開幕を迎えるが、いち早く行われた競技で、葛西に潜む競争心は燃え上がった。予選のジャンプで117.7ポイントを獲得、本戦ラウンドに進み、8度目の冬季五輪を競う最初の選手となった。彼の計り知れないキャリアにまた新たな歴史が付け加えられた」と賞賛した。

 記事では「彼は約35年前にスキーのジャンプ競技を始めてからどれだけ空中で時間を過ごしたか考えたことがあるか問われ、笑って頷き、『それについてはずっと考えていました。多分世界一周旅行くらいでしょう』と通訳を介して答えている。その翻訳は決して誤りでない。葛西はスキー板に乗っている間に地球を回るに足るだけの時間を空中にいたと見積もっている」と、その偉業を表現した。

 葛西が1992年のアルベールビル五輪で五輪デビューを果たし1994年のリレハンメル五輪のジャンプ団体で銀メダルを獲得。20年後の2014年ソチ五輪のラージヒルで銀、団体で銅を獲得したメダル遍歴を紹介した上で、「土曜日(10日)の本戦で表彰台に立つのは困難だが、彼は会場の観客、そして選手仲間から最も人気を集める選手だ」と伝えた。

また米国のケーシー・ラーソンの「彼は、若い自分にとって尊敬すべき選手。ベテラン選手もまた、彼が忍耐強くハードワークを支えに続けていることに敬意を向けている。葛西は、ジャンプ競技の前には、日本の他の選手とサッカーボールを蹴っていた。いつも軽快で、いつも楽しんでいる」というコメントを伝え、「もしかしたら、こうした楽しみから、日本のスターは燃料を蓄えているのかもしれない」とまとめた。

 またNBCスポーツは「葛西紀明、8度目の冬季五輪出場記録達成」との見出しで記録を称えた。

「2017年のトップ選手だったオーストリアのステファン・クラフトは1993年生まれ。葛西の五輪デビューの1年後だ」と、45歳のレジェンドの長い競技歴を表現。過去の五輪での結果を紹介する中では、7度の最多五輪出場記録を持つリュージュのアリベルト・デムチェンコ(ロシア)に並んだソチ五輪をクローズアップし、41歳と254日で獲得したラージヒルでの銀メダルが、ジャンプの個人競技で最年長記録になったこと、その2日後に、団体で銅メダルを獲得し、最年長記録を更新したことを紹介した。

 また記事では、葛西が、まだ現役続行の強い意志を失っていないことも伝えた。

「葛西は札幌出身、1972年の札幌冬季五輪から数カ月後に生まれた。50歳に近づく中で2022年の五輪(9度目の出場)もスキージャンプ競技で出場したい意向を見せている。さらに札幌が2026年大会の冬季五輪開催地に選ばれれば、そこでの出場もまだ不可能と見ていない。これは驚きだ」
 
 そして「過去に銀、銅メダルを獲得しているが、金メダルがないことが現役続行の原動力となっているという。平昌五輪で、そのゴールを達成すれば、もしかしたら現役継続の主張を撤回するかもしれない」とも続けている。
 同記事では、冬季五輪では葛西の8度が最多出場となるが、夏季五輪では、カナダの馬術の選手であるイアン・ミラーが10度の五輪出場を果たしており、これが夏冬あわせての五輪最多出場記録であることも紹介していた。レジェンド葛西の8度目の五輪の戦いに世界中が注目している。

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