平野歩夢が温存した秘密兵器は打倒ホワイトの切り札となるのか(写真:松尾/アフロスポーツ)

15歳で出場したソチ五輪で銀メダリストとなり、左膝靭帯損傷の大怪我を乗り越えて平昌五輪に向け復活してきた平野歩夢(19、木下グループ)が予選を3位で通過。今日14日に12人で争われる決勝での連続メダル獲得に向けて好位置につけた。

 2回の試技のうち高得点の方の点数で競う予選で平野は、一回目は87・50点だったが、2回目は、縦2回転、横3回転半の「ダブルコーク1260」を繰り出して成功させ、95・25点の高得点を叩きだした。この時点で暫定1位に。五輪で3度目の金メダルを狙うスノーボード界の“神”ショーン・ホワイト(31、米国)が、98,50点、世界選手権2連覇のスコット・ジェームズ(23、豪州)が、96,75点で、平野は3位に落ちたが、「まだ出していない技も決勝に取り貯めている。予選なのでとりあえず通ればいい。思っていた滑りができて良かった」と、笑顔で決勝へ向けて秘密兵器を温存したことを明らかにした。

 平野が封印した秘密兵器とは何か。

 今年1月に米国コロラドで行われた「X-Games」で史上初めて成功させて全米のファンに衝撃を与えた連続4回転だ。縦2回転、横4回転の「フロントサイドダブルコーク1440」から、縦2回転、横4回転の「キャブダブルコーク1440」へと連続で4回転の大技をつなげる超難易度の高い構成で、その大会では、なんと99.00点をマークして優勝している。

 ただ、ホワイトも予選では、4回転の大技を決勝へ向けて温存しており、決勝では4回転の成否がメダルの色を分ける高レベルの争いが予想される。しかし、平野が連続4回転に成功さえすれば、ホワイト超えも不可能ではない。「決勝では、自分にできる全てを出せればいい。それが完成できれば、結果も良い位置に立てる」と、平野は、連続4回転に勝負を賭ける気でいる。

 全米のメディアもホワイトの金争いのライバルとして平野をクローズアップしている。
 
 ニューヨーク・タイムズ紙は、予選首位のホワイトの滑りを取り上げる記事中に、「ホワイトにとって最大のライバルだと多くの人が見ている日本人の平野は、95.25点を記録。平野は1440を連続で成功させた最初の選手だ」と紹介。そのホワイトは、平野について「平野歩夢が13歳の時から彼を見てきた。私の幼い頃と同じく、彼は、“将来の大物になる”というプレッシャーの中で競技を続けてきた。誰もが、“次のショーン・ホワイトになる”と期待を寄せていた。それは大変なプレッシャーで責任だ。だが、これだけは言える。ホワイトは、まだ、ここにいるってことだ」とコメントしている。

 米インディアナのテレビ局WTHRは、ハーフパイプ予選を伝える記事の中で「日本を代表する19歳の平野は、最近の滑りで1440の連続技を成功させた最初のスノーボード選手だ。予選で3位に入り、ホワイトにわずか3.25ポイント差の平野は挑戦を楽しみにしている」と伝え、平野の「自分たちはとても似ている。ホワイトが何をするかわかっているし、彼も自分が何をするか知っている」というコメントを紹介した。
 
 記事は「ホワイトも平野との対戦を楽しみにしている」と2人のライバル関係に注目。ホワイトの「平野は、我々を押し上げてくれるので競うのが楽しみだ。X-Gamesでは、自分も挑戦している連続技をやってのけた。ただただ感銘を受けている」という談話が記された。

 タイム誌は、「ハーフパイプ決勝で誰がホワイトに対抗するか」という点に注目した。
「ホワイトの金メダル獲得に立ちはだかるのは2人。最有力対抗馬は、23歳のオーストラリア選手のジェームスと19歳の日本選手の平野だ」と断言。「(決勝へは)日本からは、ほかに2選手が平野に加わる」と、5位の片山来夢(22、バートン)、10位の戸塚優斗(16、チームヨネックス)にもダークホースとして注目した。

 平野の温存した秘密兵器が、打倒ホワイトの必殺技となるのか。全世界が注目の決勝は今日14日の午前中に決着がつく。 

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