クリエイターに対してお金を払わないとファンと呼べないのかという議論がネット上で話題となっています。現実問題としてクリエイターは相応のお金を稼げないと活動を継続できないわけですが、意見は大きく割れているようです。

写真:アフロ

 ミュージシャンの岡崎体育さんは、自身のファンクラブ・サイトにおいて、コンテンツの閲覧やグッズ購入に応じてポイントがたまり、ポイント数に応じて特典が受けられるシステムを導入しました。

 ところが発表直後から「ファンに優劣をつけるべきではない」「お金を持っていない人は置き去りなのか」といった批判が相次ぎました。自身のツイッターでは「ここまで叩かれるとは思わなかった」とつぶやいています。その後、ブログで特典内容の見直しや、「ランク」という言葉の削除といったシステムの変更案を発表しました。

 このシステムはファンクラブ運営などを手がける株式会社SKIYAKIが提供しているもので、今年の2月にサービスをスタートしたばかりです。岡崎さんは第一弾のアーティストでした。

 ネット上のこうした批判に対しては、クリエイター側から反論も出ています。ブロガーの「はあちゅう」さんは、自身のツイッターで「お金を使ってくれない人はファンとは呼ばない」と明言。自身のお金を使ってクリエイターの才能を伸ばしてくれる人こそが本当のファンであるとの見解を示しています。

 日本では芸術系のイベントが少なく、クリエイターがお金を稼ぐ場が少ないという問題があります。路上ライブやパフォーマンスでも、実際にお金を払ってくれる人はあまりいません。生活するお金がなければ芸術活動を維持することはできませんから、収益を確保できる仕組みが必要なことは間違いありません。

 社会のネット化が急激に進んでいる中国では、電子マネーを使った「投げ銭」が一般的な習慣として定着しつつあります。人気記事を書いたブロガーには「投げ銭」でかなりのお金が集まりますから、それだけで活動を継続できるわけです。

 またネット社会の場合、無料でコンテンツを拡散させ、そこから収益化を模索するのが当たり前ですから、無料と有料の境目は従来よりも難しくなっています。

 一部のファンは、今回のようにシステマティックにファンを分類して収益化する手法に嫌悪感を抱いています。しかしながら、岡崎さんも含めてアーティストの大半はお金のために活動しているわけではありません。気に入ったコンテンツには、自分ができる範囲でお金を払うという習慣がもっと定着すれば、アーティストたちもこうした悩みを持つことなく創作活動に専念できるはずです。

(The Capital Tribune Japan)