漁獲量の減少から価格の高騰が続いていたウナギがさらに値上がりしそうな状況です。ウナギはすでに絶滅危惧種に指定されており、最大の消費国である日本の立場は厳しくなるばかりです。一部からはもうウナギは食べるべきではないとの声も出ています。

ウナギ完全養殖の実験成功から6年、いまだ市場に出回らない理由とは

ウナギは種として存続できるかの瀬戸際に

ロイター/アフロ

 ウナギの稚魚であるシラスウナギの取引価格は2012年にキロあたり200万円以上に上昇しましたが、その後は下落。最近は100万円前後で取引されていました。しかし今年に入って価格は急上昇し、300万円台まで上昇しています。このような価格帯は前例がなく、このレベルになってくるとビジネスとして成り立たないとも言われています。

 今回の値上がりは極端な不漁が原因とされていますが、構造的な要因を指摘する声もあります。実はウナギは、絶滅危惧種に指定されており、このままでは種として存続できるかの瀬戸際にあります。極端な不漁が発生するのは、単なる漁獲量の上下変動ではなく、ウナギが本当にいなくなってしまう予兆である可能性も高いわけです。

 日本はウナギの最大消費国であり、日本政府は、中国、韓国、台湾と資源保護に向けた協議の枠組みをすでに立ち上げています。しかしながら、日本の国内市場では大量に密輸されたウナギが出回っており、この状態を放置すれば、日本に対する風当たりがさらに強まるのは間違いありません。

夏にウナギを食べるようになったのはつい最近

ロイター/アフロ

 日本では「土用の丑の日」にうなぎを食べる習慣がありますが、多くの人が夏にウナギを食べるようになったのはつい最近のことです。1990年代からスーパーなどで売られるウナギ格安パック商品が急増し、これが消費量の増大に拍車をかけました。それ以前の時代は、街のウナギ屋さんで食べるケースが多く、価格もそれなりに高いため、懐に余裕のある人しか食べていませんでした。結果として資源の浪費も抑制されていたわけです。

 ウナギはお金持ちの人が食べるというイメージが強く、ちょっとした贅沢品を一般的な値段で楽しみたいという消費者はかなりの数に上ります。マグロも似たような環境にあるかもしれませんが、高級なイメージのある食材を割安価格で販売すれば、大きなビジネスになります。

 事業者や消費者としては思わず飛び付いてしまう商品ですが、こうした行為で資源を消滅させてしまっては本末転倒になってしまいます。一部の識者は、ウナギはもう食べるべきではないと主張しています。食べるべきではないのかは何とも言えませんが、日本人は水産資源の管理についてもっと真剣になった方がよさそうです。

(The Capital Tribune Japan)

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