羽生の完璧なSP首位と怪我からの復活を海外メディアも絶賛した(写真・アフロスポーツ)

 右足首の故障で出場さえ危ぶまれていた羽生結弦(23、ANA)が平昌五輪のショートプラグラム(SP)で奇跡の復活演技を見せた。4回転ジャンプをすべて成功させる完璧な内容で自己ベスト(112.72点)に迫る111.68点をマークして首位に立った。連覇に向けて好スタートを切った羽生の結果を海外メディアもトップ扱いで取り上げた。

 英国のBBCは、試合の動画映像を紹介すると同時に「“気高い”羽生が男子スケートのSPでトップに立つ」と表現。「日本の羽生が鮮やかな演技を披露し、五輪タイトルを守るためSPで首位に立った」と伝えた。

 ニューヨーク・タイムズ紙は羽生のSPを「ルーティンを完璧にこなす」と報道。「前回覇者の羽生はショパンを滑った。4回転サルコーから始まり、完璧にこなした。大胆にも、彼は4回転―3回転のトゥループの連続ジャンプを多くの選手が疲れを見せるプログラムの後半まで温存。そして完璧に決めて見せた。素晴らしい演技。いつも通り、演技後の氷上は、くまのプーさんの人形であふれた」とSPの演技内容をレポートした。

 ただ昨年11月のNHK杯の公式練習で靭帯を損傷した右足首については「SPでは、悪い影響は見られなかった。しかし、彼がフリーの4分半の長いプログラムを戦うスタミナがあるかが疑問だ」と、明日17日のフリーに向けては疑念を抱いた。

 対してロサンゼルス・タイムズ紙は「羽生が神秘的な演技で男子SPを制す」と表現。

「足首が悪いって? 日本の羽生はSPで素晴らしい演技を披露して足首の故障に関する疑いを消し去った」と、こちらは、故障の不安を一掃したとの論調だった。

 NBCスポーツは「現役王座の羽生が首位でフリースケートへ」との見出し。「日本の羽生が1948年、1952年の米国選手ディック・バトン以来となる五輪連覇へ向けて定位置につけた」と、金メダルの可能性について触れた。同記事も、競技後に投げ込まれたくまのプーさんのぬいぐるみに注目。
「羽生の誠実なファンたちが演技後にくまのプーさんの人形のシャワーを氷上に降らせた」と紹介した。

 また4回転フリップを決めて3位につけた宇野昌磨(20、トヨタ自動車)についても触れて、「トロントを拠点とする羽生の練習パートナーでもあるスペインのハビエル・フェルナンデスが2位で続き、日本の宇野がSPで3位に入った。もし宇野と羽生が表彰台に立てば、同国選手が2人表彰台に立つのは2002年以来となる」と、2002年のソルトレイク五輪でアレクセイ・ヤグディが金、エフゲニー・プルシェンコが銀を獲得したロシアコンビの快挙以来の可能性があることを示唆した。

 海外メディアにとって、羽生の名物ともいえる、くまのプーさんのぬいぐるみが、飛び交うシーンが印象的だった様子で、スポーツ・イラストレイテッド誌は、「木曜日の平昌の男子フィギュアSPの予報は……くまのプーさんの人形たちの猛シャワーだったのだろうか?」と洒落た表現で伝えた。

「くまのプーさんの人形で氷上が洪水となる中、日本の羽生は印象深い点数と、拍手喝采にたどり着いた。フラワーガールたちは、リンクに投げ込まれ続ける、くまのプーさんの人形を拾い集めることに悪戦苦闘しながら氷上を滑っていた」と、競技後の様子をレポートしていた。

 ちなみに同誌は、恒例の五輪前のメダル予想で羽生を銀メダルと予想。金メダルは、この日、ジャンプすべてを失敗して17位と惨敗したネイサン・チェン(18、米国)としていた。

 全世界が羽生の66年ぶりとなる連覇の行方に高い関心を示している。