3か月のブランクをものともせずSP首位に立った羽生。金メダルへの選択は?(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

平昌五輪のフィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)が行われ、右足首の靭帯損傷で3か月リンクを離れていた羽生結弦(23、ANA)が完全復活の演技で111.68点をマークして首位発進した。1998年の長野五輪から、ここ5大会のうち4大会でSPを首位発進した選手が金メダルを獲得している。2位には4.10点差でハビエル・フェルナンデス(26、スペイン)、3位には団体戦でミスした冒頭の4回転フリップを着氷させた宇野昌磨(20、トヨタ自動車)が104.17で入った。

元全日本2位で現在、福岡のテレビなどで解説も行っている中庭健介氏は羽生の演技をこう分析した。

「感動しました。後半に入れたトリプルアクセル、4回転+3回転の連続トゥーループという2つの難しいエレメンツ(要素)をどう演じるかが不安でしたが、自信に溢れた美しいジャンプでした。ネイサン・チェンが力み、気持ちと体のバランスを崩し3つのジャンプに失敗した(17位)のに比べて対象的でした。いわゆるゾーンに入った状態だったのではないでしょうか」

冒頭は、右足に負担のかかる4回転ループではなく4回転サルコーに変えて綺麗に着氷、すぐさまイーグルからスピンへとなめらかに移行した。技術の基礎点が1.1倍となる後半に配置したトリプルアクセルも優雅に、そして、4回転+3回転の連続トゥループは、セカンドジャンプて手を上げて成功させた。トリプルアクセルにはGOE(出来栄え点)で満点の「3」がついた。

「プログラムコンポーネンツ(演技構成点)で、満点の10点をつける基準として、ユーモラスに“採点を忘れてこの魔法のような時間を楽しみたいと思うほどの演技”と、書かれているものがあります、まさに採点をつけるのを忘れてしまうほどの歴史に残る名演技でした。審判員も、羽生選手の復活のストーリーを知っていますから、そういうものも含んで“人間・羽生”に高い評価を与えたのではないでしょうか、故障の影響が心配でしたが、全てのエレメンツ(要素)はもちろんの事、ジャンプの前後の複雑なステップなどのトランジション(つなぎ)動作も、故障のブランクを感じさせないレベルの高いものでした」

完全復活を遂げた羽生はフリーで逃げ切ることは可能なのか。
2位のフェルナンデスとは4.10点差。3位の宇野とは7.51点差がある。

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