宮原は回転不足を修正して自己ベストを更新。3位と2.93点差の4位と銅メダル圏内につけた(写真・ロイター/アフロ)

 平昌五輪の女子フィギュアスケート、ショートプログラム(SP)が21日、カンヌン・アイスアリーナで行われ、日本の宮本知子(19、関大)が自己ベストを更新する75.94点で4位、坂本花織(17、シスメックス)も自己ベストの73.18点で5位と、2人揃ってメダル圏内の好位置につけた。SP首位は、ロシアから個人資格参加のアリーナ・ザギトワ(15、OAR)が世界最高得点となる82.92点。2位は“女王”エフゲニア・メドベージェワ(18、OAR)の81.61点。3位がケイトリン・オズモンド(22、カナダ)の78.87点。

 第4グループのトップバッターとなった坂本はリンクサイドの中野園子コーチ(65)と手を握り合った。「笑顔でできますか?」。そう問われた坂本は「できます!」と力強く答えた。
「表情硬いよ?笑。絶対ね!」
「はい!」
 そう返事をして坂本は勝負の氷上へ飛び出した。
「いつも笑顔で出たときは成績がいい。(中野)先生に“表情硬いよ”と言われ、それで笑顔になりました」

 3つのジャンプを後半に集めた高難度のプログラム。3回転フリップ+3回転トゥループの高さのある連続ジャンプに成功すると、3回転ループも乱れなく着氷した。
「ループはひやっとしたんですが、降りれてよかったです」
 3つ目のダブルアクセルも成功させ、最後にスピンでフィニッシュすると、両手の拳を顔の手前で握るようなガッツポーズ。笑顔がはじけた。
 73.18点は、ISU公認試合では優勝した四大陸選手権の71.34点を超える自己ベストだ。この時点で暫定トップに立った。
「凄く嬉しいです。歓声?よく聞こえていませんでした。最後まで集中してできました。今までで一番良かったかなと思います」
 大舞台で緊張することなく結果を残した坂本は、次のフリーに向けて笑顔を浮かべた。
「ここまで勢いでこれたので、フリーは、このまま突っ走っていけたらなあと思います」

 第5グループの第2滑走となった宮原の演技は、さらに素晴らしかった。メドベージェワが世界最高得点をたたき出した後のザワザワする会場の雰囲気は辛かっただろうが、団体戦で回転不足を取られ課題だった3回転ルッツ+3回転トゥループをクリーンに成功させた。後半に入れた3回転ループも余裕をもって着氷。最後のジャンプとなるダブルアクセルも決めた。だが、宮原は喜びを抑えて、観客の歓声に応えた。
 75.94点の得点が出ると、ようやくほっとした笑顔。宮原も、また2016年のGPファイナルで出していた74.64点の自己ベストを初出場となる五輪の舞台で更新した。

 競技後、宮原は、「なんとか大きなミスなく終われて、まだ緊張している感じで……なんとかフリーにつなげることができて良かったです」と、安堵感の溢れる受け答え。
「団体で回転不足を取られ、つぎこそはと、少しの間でしたが練習してきました。自分でも外から見ても回転不足でないジャンプを常に毎回飛べるように意識してきました」
 回転不足を修正した経緯を説明した。
 スピンもステップもレベル4をキープした。
「最初から最後まで、足が震えるほどではなかったのですが、緊張していたので、無駄なところでレベルを落として、取りこぼしのないように意識してスピンをしました」
 そしてメダルのかかる23日のフリーへこう語る。
「1日あります。気持ちを切り替えて(ここまで)頑張ってきたことをフリーで出せるように頑張りたい」

 メドベージェワが、世界最高得点をマーク、続くサギトワが、その世界最高をすぐに塗り替えるという異次元の演技をロシアの2人が見せた。金、銀メダル争いには手が届かないが、3位のオズモンドまでは、宮原は2.93点差で銅メダル争いは十分に圏内だ。坂本も5.69点差。注目のフリーは一日を空けて23日に行われる。

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