宮原は回転不足を克服してSP4位につけた。逆転銅メダルの可能性は?(写真・ロイター/アフロ)

 平昌五輪の女子フィギュアスケートのショートプラグラムはトップに立ったロシアから個人資格参加のアリーナ・ザギトワ(15、OAR)が世界最高得点となる82.92点、2位につけた“女王”エフゲニア・メドベージェワ(18、OAR)が81.61点をマークするという五輪史上稀に見る高レベルの戦いとなった。
日本期待の宮原知子(19、関大)も自己ベストを更新する75.94点で4位、坂本花織(17、シスメックス)も自己ベストの73.18点の5位で続き、3位のケイトリン・オズモンド(22、カナダ)の78.87点を射程に捉えるメダル圏内をキープした。

 ザギトワ、メドベージェワとの得点差、異次元の演技内容を考えると金、銀メダル獲得はほぼ絶望的だが、バンクーバー五輪で浅田真央が獲得した銀メダル以来となる表彰台に上がる可能性は十分に残された。
宮原は懸念材料であった回転不足問題をクリアした。

 「団体で回転不足を取られ、つぎこそはと、少しの間でしたが練習してきました。自分でも外から見ても回転不足でないジャンプを常に毎回飛べるように意識してきました」

 目の前でメドベージェワが世界最高得点をマーク。会場は異様な雰囲気に包まれていたが、宮原は、冒頭の3回転ルッツ+3回転トゥループを綺麗に成功させた。

 後半に入れた3回転ループにも余裕があった。3つ目のジャンプ、ダブルアクセルも着氷したが、宮原は、演技終了後、喜びを爆発させることなく、謙虚に、静かに、会場の拍手に応じた。おそらく団体戦での経験がトラウマになっていたのだろう。蓋を開けるまでわからない。キス&クライで2016年のGPファイナルで記録していたパーソナルベストを塗り替える75.94点の得点が出ると、ようやく頬をすぼめて笑った。

 元全日本2位で現在、福岡で後進を指導している中庭健介氏は、こう分析した。

「宮原さんは、緊張があったと思いますが、冒頭の動きから身体全体の動きが、非常に滑らかかつ躍動的で、演技開始から良い演技のリズム感を掴めてるような雰囲気を感じました。回転不足問題だけに焦点を当てるのではなく演技全体をうまく調整してきたなという印象を受けました。回転不足を意識しすぎると、回り過ぎ、浮き過ぎという問題が起きて全体が崩れるリスクがあります。そうならずに修正に成功したのは、濱田コーチを中心としたチームワークの結果だったように思えました。技術というより試合に臨む精神面の作り方が良かったと感じるような演技でした」

 第4グループのトップを切った坂本もノーミスで自己ベストを更新した。前出の中庭氏は、「スタートは硬く見えましたが、後半にジャンプを集めた難しいプログラム構成が幸いして、トランジションやステップシークエンスを滑る間に緊張がほぐれ、いい状態で坂本さんらしい思い切りのいいジャンプが跳べていました」と分析した。

 さて問題は4位、5位からの逆転銅メダルの可能性である。

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