15歳のザギトワはSPで世界最高をマークした。だが金メダルを獲得すると賛否が巻き起こりそうだ(写真・アフロ)

 平昌五輪の女子フィギュアスケート、フリースケーティングが今日23日、江陵アイスアリーナで行われ、メダリストが決定する。21日のショートプログラムでは、ロシアから個人資格で参加しているアリーナ・ザギトワ(15、OAR)が歴代世界最高得点となる82.92点を叩き出して首位。2位につけたのは、世界選手権2連覇中の“女王”エフゲニア・メドベージェワ(18、OAR)で、彼女もまた自己ベストの更新となる81.61点をマークした。両者の得点差は、わずか1.31点差。フリーでの世界最高得点は、メドベージェワが昨年の国別対抗戦で出した160.46点だが、2人は、その世界記録を超えていく演技で金メダル争いをするだろう。

 海外メディアのV予想も、女子フィギュアの五輪では“女王の交代”が激しいことからザギトワの勢いを推すものもあれば、ワシントンポスト紙のように「フリーは18歳のメドベージェワの芸術性が、若きライバル(ザギトワ)の跳躍力を上回るかもしれない」と、メドベージェワの逆転Vを予想するものもある。

 右足の故障明けだったメドベージェワがザギトワに敗れた先の欧州選手権でもフリーのプログラムコンポーネンツ(演技構成点)は、ザギトワの75.30点に対しメドベージェワは77.14点と、わずかながら1.84点リードしていた。

 特にインタープリテーション(音楽の解釈)では4人が10点満点をつけて9.79点をマークするなど、その作品の表現力に高い評価を与えられている。

 だが、15歳のザギトワには、プログラムコンポーネンツのハンディなど吹き飛ばすほどの技術点がある。ザギトワは、7つのジャンプを基礎点が1.1倍となる後半にすべて詰め込むという驚異的なプログラムで滑るのだ。

 しかも、後半の最初から3回転ルッツ+3回転ループという難易度の高い連続ジャンプを入れてくる。右足の外エッジで着氷後、次のジャンプにつなげるための反動などの時間を作ることのできないループジャンプをセカンドジャンプにつけることは男子でも難しい。しかし、ザギトワはいとも簡単にこなし、体力が落ちるはずの終盤に3回転ルッツから3回転サルコー、3回転フリップ、ダブルアクセルと、4つの単発ジャンプを「どうだ!」とばかりに畳み掛けてくる。後半で一気に得点を積み重ねてくるのである。

 しかし、もしザギトワが首位をキープしたまま金メダルを首から下げるようなことになれば、その評価に賛否が起きる可能性は高い。実は、この得点主義ともいえる後半に7つのジャンプというプログラム構成に「作品としての芸術性に欠ける」という声があるのだ。