阪神から横浜DeNAへFA移籍した大和が今季への決意を語る(写真・黒田史夫)

 横浜DeNAのブルーが似合わないわけではない。2月、沖縄・宜野湾キャンプ。背番号「9」の大和は溌剌としていた。シート打撃でショート、セカンドの両方のポジションに入り、二遊間を組む倉本寿彦との 息を合わせる。特打では、左打席、右打席の両方で意図を持ちながら低い打球を広角に打ち分けている。  

 ずっと前からそこにいたように笑顔が目立つ。

 若さ、勢いに象徴される横浜DeNAでは、30歳の大和が今キャンプ一軍メンバーで野手最年長となる。福留孝介、糸井嘉男、鳥谷敬らのベテランがいて“中堅”だった阪神時代とは立ち位置も違う。

「だいぶ馴染みましたね。みんなが喋りかけてくれるので楽です。野手では最年長ですが、今までとやることは変わりません。ただ年齢が上っただけで。そこまで気を使うこともありませんよ」

 プロ13年目にしての決断だった。

 去年までは車で30分ほど北へ走った宜野座でキャンプを張っていた。同じセ・リーグのチームでも練習はアップの内容からして違う。

「練習内容からまったく違います。ベイスターズは自分でやらないといけない時間が多いんです。やりたいことができるのでいいのかなと」
 
 全体練習以外の自主トレの時間帯が多いという。
「個別の時間もあり、本当にやりたいことができる。プロ野球は個人、個人。そこで、やる、やらないは、ひとぞれぞれです。それでいいんじゃないですか」

 その時間をどう使うか。自分を試される。

 大和は転向2年目となるスイッチのレベルアップに費やす。
「一番は振り込みですよね。左もまだ1年たったばかり、まだまだ成長しなければいけない」

 昨年は右打席で打率・ 298、初挑戦となった左でも打率・ 270 を残した。その器用さを、当時、掛布雅之2軍監督も感心していた。

「自分でも想像以上。ここまでできるとは思わなかった。それも練習量があったからこそ、それは継続してやっていきたい。右、左の割合でいくと、左打席が確実に多かった。ゲームでの感覚が一番大きかった」

 左打者への挑戦で見えた極意もあった。
「左をやったことで右だけのときに気づかなかったことに気づいた。逆の体の動きですが、左打席は癖がなく、思うがままに振れるんです。でも右では考えながらになる。対照的なところがありますよね」

 横浜DeNAの高田GMも「スイッチで打者としての幅が出た。起用法も広がる」とFA獲得に踏み切った理由を語っていた。2016年に大和は対右投手には打率・ 191と苦手としていたが、スイッチをやることで、そのウイークポイントをカバーした。選手としての総合力が上がったのである。