金のザギトワ(左)と銀のメドベージェワ(右)は、エテリ・トゥトベリーゼ・コーチ(中)の門下生だ(写真・ロイター/アフロ)

 宮原知子(19、関大)が初出場となる五輪の舞台で感動的なノーミスの演技で自己ベストを更新した。坂本花織(17、シスメックス)も伸びやかな演技にまとめて6位に食い込んだ。だが、金メダル、アリーナ・ザギトワ(15、OAR)と銀メダル、エフゲニア・メドベージェワ(18、OAR)の異次元のメダル争いとは大きな実力差があった。3位のケイトリン・オズモンド(22、カナダ)はミスをしたのに宮原は、8.64点差をつけられてメダルに届かなかった。競技後、宮原は「海外の選手に食い込めるように頑張りたい」と課題を口にしたが、この差は、いったいどこにあるのか。

THE PAGEで評論をお願いしている元全日本2位の中庭健介氏は、まず宮原の敗因をこう分析した。

「宮原さんは、ここ一番の演技を五輪の大舞台で見せました。怪我の影響で、つい数か月前まで試合に出られるか、どうかという状態だったことを考えると、今できる最高のパフォーマンスを演じました。素晴らしい努力と練習量の成果でしょう。しかし、ノーミスの宮原さんとオズモンド選手に差を生んだのは、GOE(出来栄え点)の部分です。高くてスピードと幅もあるダイナミックなオズモンド選手のジャンプ、そして宮原さんのコンパクトで美しい軸のジャンプとも加点はつきましたが、今回はオズモンド選手のそれに軍配が上がった結果になりました。ジャンプの質はプログラムコンポーネンツ(演技構成点)にも影響を与えます。それらの小さな積み重ねが8.64点になりました。結果的に宮原さんは素晴らしい演技をしましたが、逆転はかないませんでしたね」

オズモンドは、3回転ルッツをステップアウトするミスをして、GOEではマイナス1.40点を減点されながらも、GOEの合計は14.38点で、ノーミスだった宮原の12.36点を上回った。演技構成点では、オズモンドは、5部門のすべてで9点を超えてきて計75.65点と評価されたが、宮原が9点を超えたのは、「動作/身のこなし」と「音楽の解釈」だけで71.24点。ここでも差をつけられた。怪我の影響もあり、今季は、この部分を磨く時間が足りず、五輪に入ってからは、回転不足の修正問題で目いっぱいだったのかもしれない。

さらに宮原、坂本の日本勢とロシアとの差は大きい。金メダルのザギトワと、宮原の得点差は、SPで6.98点、FSでは10.21点もあった。

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