長野県内で地域づくりや地域の課題に取り組むNPOの情報をまとめて発信するポータルサイト「ナガクル」が、3月1日に立ち上がります。県内の多くのNPOの活動情報が埋もれないよう公開し、互いに連携も強めてNPO活動を地域の力としていく狙い。NPO法人長野県NPOセンターによる開設で、地域のNPO活動の前進が期待されています。

NPO間の連携強化も狙う

[写真]発足するポータルサイト「ナガクル」

 ポータルサイト「ナガクル」は、これまでバラバラに発信していた長野県内のNPOの情報を集約して提供。サイト側と各NPOとの間で情報交換や提案などのやり取りもしてNPOの活動を広げたり、他のNPOとの連携を進めることなどが期待されています。

 ナガクルはその狙いとして(1)地域の課題を広く知ってもらい、問題意識を持ってもらう、(2)地域のNPO活動を広く知ってもらうことで、新たなアクションのきっかけを生み出す、(3)NPO自身の情報発信や情報開示を進める――などを挙げています。

 ナガクルの名称は、仲間(CREW=クルー)や持続可能な活動につながる「サイクル」、きっかけや糸口を指すCLUE(クルー)などの言葉の意味を持たせながら「ナガノ」と組み合わせました。

 日本財団と特定非営利活動法人CANPAN(カンパン)センターがNPOの活動状況の公開、評価などのため運営している「CANPAN」サイトを通じて、活動的なNPOをナガクルに登録してもらい、サイトや他の登録NPOとともにさらに活動の幅を広げる取り組みを進めます。

 3月1日のサイト開設に向けた登録活動に加えて、今後も県内各地でナガクルの説明会などを開き、地域のNPOの参加を呼び掛けていきます。長野県内のNPOは約1000団体を数えますが、当面数十団体からいずれは100団体ほどを目標に参加を進めていく考え。

 NPO活動を地域の抱える課題や問題に積極的に結びつけていくこうした試みについてサイトでは、国連が提唱する「持続可能な開発目標」(SDGs・エスディージーズ)の考え方に賛同していることを背景として挙げています。

 SDGsは「貧困をなくそう」、「飢餓をゼロに」など17項目の目標を掲げていますが、その長野県版となる「ナガノの課題」として、「魅力あるナガノをつくろう」、「すべての人に健康と福祉を」、「安心して学べる・遊べる」、「公正で平等な社会へ」、「働きがいのある毎日を」など8つの課題を掲げ、サイトを通じたNPOの活動の広がりがこれらの目標に向かうことを共通の理解とする方針です。

 目標の一つ「楽しいまちをつくろう」のコーナーでは、長野県の中山間地で空き家の増加が深刻になっていることを国の統計から説き起こし、地域の在り方を考えるヒントとして示しています。

 3月1日の開設を前に試行的に編集しているナガクルのサイトでは、長野市郊外で「食農体験の場」を親子たちに提供しているボランティア団体「天空の里 いもい農場」や、「信州まちづくり研究会」(立科町)など数団体の活動を紹介。それぞれの団体が刻々と動く活動内容を日付を追って発信しています。

 サイトではさらにイベント情報や、NPOの活動につながる助成金情報、悩み事コーナーなどを設けてNPOやその活動に関心がある市民らの広場として機能させます。サイトの編集メンバーは「このサイトをきっかけに地域の課題や問題に具体的に取り組む動きが広がってほしい」と話しています。


■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説