バルセロナでテスト走行を開始したトロロッソ・ホンダのマシンも新レギュレーションに沿ったものだ(写真:ロイター/アフロ)

「全チームが、バルセロナに顔を揃えることを願っているよ」

 これは、2月26日から始まったプレシーズンテストを前にして、あるF1チーム関係者が語った言葉だ。
 創設された新チームならともかく、何年も参戦してきたチームであれば、ニューマシンをテストに間に合わせることはそれほど難しい話ではない。にもかかわらず、今年はどのチームもニューマシンの製作に苦労している。理由は、F1は今年からレギュレーションで、あるモノの装着が義務付けられたからだ。

 それは、ハローだ。

 この装置は英語で太陽の後ろに現れる光 輪や聖人の後光などを指す「Halo」から名付けられた安全装置で、カーボンファイバー製の輪をコックピット周辺に取り付けてドライバーの頭部を守る仕組みとなっている。

 ハローはFIAが指定したイギリス、ドイツ、イタリアの3社が製造する。この3社が供給するハローはFIAの安全基準を満たしているため、品質自体には問題はない。だが、ハローは単体で使用されるものではない。マシンに装着されてはじめて性能を発揮する。問題は各チームがハローをどのようにマシンに装着するかだ。

 ただ、取り付けるだけなら難しくはないが、F1マシンには安全性をクリアするため、FIAが義務付けしているクラッシュテストに合格する必要があり、ハロー導入によって、テストがこれまで以上に難しくなったのだ。 つまり、ハローが固定される部分の強度をこれまで以上に上げなければ、テストに合格できない。

 問題は強度を上げることではない。それに伴って、マシンの重量が上がる。これが問題だ。ハロー自体の重量は約6kgだが、テストに合格するためにマシン側の強度を単純に上げると、実際には倍以上に重量が増加する。 現在のF1マシンは10kg重くなると、ラップタイムが約0.3秒遅くなるほど、重量による影響は大きい。できるだけ重量を上げることなく強度を保つにはどうしたらいいか? 2018年のF1は、新しく導入されるハローをいかに味方につけるかという戦いでもある。

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