熊本県にある新電力会社「熊本電力」が仮想通貨のマイニング事業に乗り出しました。同社は電力の販売会社で安く電力を調達できる立場にあります。果たして勝算はあるのでしょうか。

写真:アフロ

 熊本電力は、太陽光発電事業などを手がけるテイクエナジーコーポレーション株式会社のグループ企業で、九州電力と東京電力のエリアにおいて電力の販売事業を行っています。

 熊本電力は、仮想通貨採掘事業を行う関連会社オズマイニングを東京都に設立し、仮想通貨のマイニング事業に乗り出します。マイニングを行うことを希望する顧客に対して、マイニング設備の提供を行うとともに、熊本電力から価格の安い電力も供給します。

 ビットコインなどの仮想通貨は、取引の正当性を証明するため、大量の暗号処理の作業が必要となります。こうした作業を提供する事業者のことをマイニング事業者と呼びます。マイニングを行うためには、高性能のコンピュータを多数用意しなければならず、かなりの電力を必要とします。

 マイニング事業には、IT企業のGMOインターネットやDMMグループがすでに参入しています。GMOは電気代が安く、冷房を必要としない北欧地域に施設を建設するなど、電気代の節約に苦慮しています。

 熊本電力は電力販売会社なので、1キロワット時あたり10円台で電気を供給できるとしています(エリアや契約内容によって異なる)。一般的な家庭の電気代は1キロワット時あたり30円程度ですから、家庭用の電気と比較するとかなり割安です。

 マイニング施設は、建物と一体になった大型のものや、コンテナを設置するだけの簡便なものもあり、顧客の状況に応じて選択が可能とのことです。

 確かに電気代が安いことは魅力のひとつですが、仮想通貨のマイニング事業が儲かるのかどうかは、コンピュータの性能と仮想通貨の価格推移にかかっています。

 熊本電力が提供する施設の計算能力は明らかにされていませんが、他社と同等もしくはそれ以上の計算能力がある場合には、安い電力と組み合わせることでかなりの競争力を発揮することになるでしょう。

 もう1つの要因となる仮想通貨の価格については、市場が決めることですから何ともいえませんが、予想以上に価格が高騰することになれば、それに応じて投資収益も拡大することになります。一方、仮想通貨の価格がさらに下落した場合には、収益的には厳しくなってくるかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)