NPO(非営利団体)は利益を上げてもよいという世耕経済産業相の国会答弁が注目を集めています。NPOはボランティアと混同されることも多いのですが、NPOは利益を上げてもよいのでしょうか。

写真:アフロ

 1月31日の参議院予算委員会において、公明党の山本香苗議員が「なぜNPOなど非営利法人が、ものづくり補助金の対象から外れているのか」と質問しました。これに答えた世耕氏は、当初は官僚的な答弁を読み上げていたのですが、途中からペーパーを読まず、持論を語り始めました。

 世耕氏は「NPOに対しては誤解がある」「NPOは利益を上げてもまったく構わない」と説明。現在の補助金が企業を対象としているのは従来の法律に縛られていることが原因であり、NPOを補助金の対象にすることについて検討の余地があるとの見方を明らかにしました。

 この答弁に対して山本議員は「大臣はよくわかっていらっしゃる」と絶賛。社会起業家でNPOを運営する駒崎弘樹氏も「全NPOが泣いた!」と手放しで評価しています。

 NPOはボランティアと勘違いされることも多いのですが、そうではありません。利益を上げてもよいという世耕氏の見解は正しいといってよいでしょう。

 NPOと一般的な営利企業の最大の違いは出資者に対して配当などの還元を行うかどうかです。組織として確保した利益を、その事業の継続のために投資することは何の問題もありません。また現実問題として事業から利益を上げ、それを再投資に回さなければ事業を継続することができなくなります。一定の範囲で利益を上げることはむしろ重要といってよいでしょう。

 ただし、留意すべき点もあります。営利企業には配当を強く求める出資者がいますから、経営者には強いプレッシャーがかかります。こうした外部からの圧力があるおかげで、営利企業は知恵と工夫を凝らし、事業を拡大させることができるわけです。

 しかしながらNPOにはこうした力学は働きませんから、場合によっては経営者が寄付者から募ったお金を有効活用せず、自分たちの給料などにつぎ込んでしまう可能性もゼロではありません。実際、NPOの中には、コスト意識がまったくなかったり、資金の使い道が不透明であると指摘されるところもあります。

 NPOはお金を出してくれた人に対して還元しない組織ですから、営利企業と比較した場合、何倍もの透明性、公平性が必要となります。NPOの役割をさらに拡大させるためには、透明性に対する意識も同時に高めていく必要があるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)