前日計量をクリアできなかったネリにWBCは無期限出場停止処分を下したが、抜け穴だらけ(写真・山口裕朗)

WBC(世界ボクシング評議会)は3日、前バンタム級世界王者、ルイス・ネリ(23、メキシコ)が山中慎介(35、帝拳)とのタイトル戦(1日・両国国技館)において、体重超過により計量失格した問題に対し無期限の出場停止処分を下したことを発表した。
ネリは、前日計量で53.5キロのリミットを2.3キロオーバー、2時間の猶予を与えられた再計量でも1.3キロオーバーで計量失格、タイトルを剥奪された。同試合は、山中が勝てば新王者、負け、或いは引き分けの場合は空位という変則ルールで強行されたが、山中は4度のダウンを喫して2回TKO負けしていた。

WBCは「バンタム級の王者が5ポンド(2.3キロ)オーバーで計量に現れた行為はとうてい受け入れることができない」と、ネリの体重超過を断罪、今後、行われるWBCの公聴会への出席を義務づけた。  

WBCは選手の健康を考えて前日計量の方式を導入して以来、試合の30日前、7日前に体重をチェックするなどして、このシステムは機能してきたと説明。ネリの今回の愚行を「反プロフェッショナルな行為」と無期限の出場停止処分に至った経緯を伝えた。

先に国内の世界戦を統括するJBC(日本ボクシングコミッション)が、ネリに対して1年間の招へい禁止処分を下していたが、WBCの無期限出場停止処分は、重いのか、軽いのか。これで、今回の問題は解決と言えるのか、

ハッキリ言ってWBCの無期限出場停止処分は“抜け穴”だらけだ。
昨年8月の山中戦で起きたドーピング疑惑の際にも、陽性反応が出ていたにも関わらず、「薬漬けの牛肉を試合前に食べた影響」というネリ側の主張を受け入れ不問としていた。  

今回は、とりあえず、すぐに無期限出場停止と発表したが、また公聴会でネリが、「栄養士に任せた初めての減量方法だったので失敗した」と、メディアに語ったのと同じ論法で、責任転嫁を行い、無期限の期限が、どこかであっさりと解禁になる可能性も否定できない。

またWBCでは、ランキングを除外され、世界戦はできなくなるが、これは、あくまでもWBCの処分で、他のタイトル認定団体であるWBA、IBF、WBOの3団体への効力まったくはない。
WBCの王座は剥奪されたが、他団体でランキング入りして、WBCの出場停止の間に試合を行い、世界挑戦のチャンスを得る可能性も十分にある。ドーピング疑惑に続く、体重超過の問題で、ネリにダーティなイメージはついたが、超攻撃的で、人気の出るボクシングスタイルのため、他団体が、“ここがチャンス”とばかりにネリを自らの団体へ“スカウト”するかもしれない。

JBCの安河内事務局長は、「体重超過に関しては、日本が認定している主要4団体が協調しての統一ルールが必要。日本からそれを働きかけたい」と訴えているが、確かに現状のルールでは、今回の無期限出場停止処分もネリにそれほどの打撃はないだろう。

米国内でも、このWBCが下した処罰に対しての賛否の議論が活発になっている。

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