マリナーズ時代のイチロー。古巣復帰濃厚の理由とは?(写真・アフロ)

 先週、イチロー外野手(44)が日本で打撃練習をしている映像が、米記者のツィッターを通して広まった。

 代理人があえてリークしたのでは、という噂があるが、たまたま近くにいたメルビン・アップトン(インディアンズ)に見せると、驚きの声を上げた。

「オイオイ、凄い体をしているじゃないか。オッ、これはスタンドに行ったな。これも行ったな」
 その後で彼は、首を振る。

「イチローのような選手が契約できないなんて……。FA(フリーエージェント)市場がまるで変わってしまった。かつては、30歳代前半が全盛期とみなされた。でも今は、20代の安い若手にどんどんチャンスを与える。ベテランなんて、使い捨てだ」

 アップトンは2016年に20本塁打を放ったものの、昨年はマイナー契約しか結べず、故障に苦しめられたことから、メジャーのプレー機会がなかった。今年はインディアンズにマイナー契約で拾われたが、まだ33歳で、20本以上の本塁打を過去に4度も記録した選手でさえ、招待選手としてキャンプに参加するのが、精一杯。

 彼は続けて言った。
「次の労使交渉は、時間がかかる」

 オフのFA市場が凍りついているのは、知られる通り。

 今も過去4年で64勝をマークしたジェイク・アリエッタが未契約で、過去3シーズンで79本塁打を記録しているカルロス・ゴンザレスも、行き場がない。アリエッタは31歳。ゴンザレスもまだ32歳。
 彼らが、それなりの契約を求めているという一因はあるにしても、動きが鈍い。

 理由に関しては様々なことが指摘され、ヤンキースやドジャースといった資金力のあるチームが、総年俸をぜいたく税のかからないレベルに抑えようと試みたことで、マネーゲームという状況にならなかった。あるいは、来年のオフにブライス・ジャーパー、クレイトン・カーショウらがフリーエージェントとなるため、それに備えて今年は支出を控えている ── などと言われる。

 また、データ分析に力を注ぎ、さほどお金をかけずにアストロズが昨季のワールドシリーズを制したことは、お金を使うことよりも、頭を使うことの大切さを教えた格好になった。

 イチローに関して言えば、なんといっても44歳という年齢がネックになった。アップトンが言ったように、30歳を超えるともう伸びしろがないと判を押し、20代の若い選手で十分に替えが効く ── とみなされる時代。偏見という逆風は、以前に増して強かった。

この記事が気に入ったら「いいね!」をお願いします