トロロッソ・ホンダは順調なテスト走行を消化している(写真・アフロ)

 記録的な寒波がなんども訪れた今年の日本。じつはヨーロッパも今年は歴史的な寒波に見舞われた。イタリア南部のナポリでは1956年以来、62年ぶりの雪が降り、ドイツでは117年前の低温記録を更新する-30.5℃を記録した町もあった。

 長年、シーズン開幕前にF1の合同テストを行ってきた スペインも例外ではなかった。合同テスト初日のスタート時の気温は6℃。3日目の2月28日は雪に覆われるという近年のF1のテストでは経験したことがない事態に見舞われたほどだった。

 そのため、例年であれば、テストで新車を走らせれば見えてくる各チームの勢力図が、今年は1回目のテストが終了した時点ではまだ見えてこなかった。現在、4日間の2回目のテストが始まっている。

 だが、1回目のテストで何もわからなかったわけではない。いくつか明らかになったことがある。そのひとつが、今年のホンダは信頼性が向上したということだ。

 昨年のいまごろ、ホンダは信頼性に悩まされていた。テスト初日からトラブルを発生させ 、8日間のテストでこなした周回数は10チーム中、最下位となる425周にとどまった。ホンダとパートナーを組んで3年目を迎えていたマクラーレンにとって、その結果は忍耐の限界を超えるのに十分な理由となった。開幕前からマクラーレンはホンダとのパートナーシップ解消を公然と口にし、9月に2017年限りで提携を打ち切る発表を行った。

 トロロッソとタッグを組んで迎えた2018年。ホンダは4日間のテストを終えた段階ですでに324周を走破した。これは10チーム中、トップの周回数だった。もし、3日目に雪に見舞われていなければ、昨年の2回のテストで走行した周回数を1回のテストで上回っていたかもしれない。しかも、車体にわずかなトラブルが起きたものの、ホンダのパワーユニットにはまったく問題はなかった。

 1回目のテストを終えて、トロロッソのテクニカルディレクターであるジェームス・キーは、ホンダの仕事ぶりを次のように評価した。

「テスト最終日に走った147周はおそらく、ホンダのパワーユニットとして史上最多の周回数だと思う。しかも、テストは事実上、わずか3日しかなかったから、これは素晴らしい偉業だ」

 もうひとつ、見えてきたものがある。それはトロロッソの2人のドライバーが与えられたメニューをしっかりとこなす仕事人だということだ。ガスリーもハートレーも今年2年目だが、F1デビューは昨年のシーズン後半。フル参戦は2人とも今年が初めてだ。これは10チーム中で最も経験が浅く、その点を危惧する声が少なくなかった。

 しかし、テストがスタートすると、初日にステアリングを握ったハートレーは93周を走行。2日目にハートレーからステアリングを譲り受けたガスリーは82周を走り込んだ。3日目は雪のためハートレーが2周しただけにとどまったが、最終日はガスリーが147周を走破。これは1人で1日に走行した周回数としては今年のテストで最多だった。

 これだけの周回をこなそうとすると、コースアウトするなどというミスは許されない。つまり、2人のドライバーはほぼノーミスだったというわけだ。これはトロロッソにとって、ホンダのパワーユニットの信頼性の高さとともに、うれしい誤算だったのではないか。

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