仮想通貨が大幅に下落したことで、一度は低調になったFX(外国為替証拠金取引)が再び盛り返しています。仮想通貨に投資する個人投資家とFXに投資する個人投資家は重複しているといわれてきましたが、その仮説は本当のようです。

【連載】投資家の美学

写真:ロイター/アフロ

 金融先物取引業協会がまとめた1月の店頭外国為替証拠金取引の金額は365兆4697億円となり、昨年12月と比較して48%も増加しました。これは昨年9月以来の数字です。

 FXはドルなどの外国通貨を一定の証拠金を差し入れて売買するもので、ごくわずかな手持ち資金しかない投資家でも、高額の取引を行うことができます(少額の資金を元に資金を借り入れて、より高額の取引を行うことを「レバレッジをかける」と言います)。

 現在は25倍のレバレッジをかけることも可能ですが、投機的な取引を誘発するということで、金融庁は今春から10倍までに制限することを検討しています。また為替相場自体も2017年から1ドル=110円前後で安定していたことから、ハイリスク・ハイリターンを狙う短期の投資家にとっては利益を出しにくい状況となったわけです。

 儲からなくなったFXに代わって注目を集めたのがビットコインをはじめとする仮想通貨です。仮想通貨の代表であるビットコイン価格は、2017年の1年間で、10万円台から220万円まで何と20倍以上も値上がりしました。ビットコインはごく少額で投資する人が多く、ここまでの価格上昇の原動力にはなりにくいとされていました。それにもかかわらずこれほどまでの相場になったのは、資金力のあるFX投資家が大挙して仮想通貨に流れ込んだことが原因であると市場関係者は見ていました。

 結局、ビットコイン価格は、2017年の年末から2018年の年初にかけて暴落しましたが、下落したタイミングに合わせて、再びFXの投資が増えてきたという現状を考えると、両者の投資家層が重複しているというのは間違いなさそうです。

 ビットコインは何かとヒステリックに報道され、その値動きが異常であるというイメージを持っている人が多いのですが、FXや株式のデイトレーディングをしている短期投資家にとっては特に驚くような投資対象ではありません。