ノブ・ハヤシ。3月1日に東京・後楽園ホールで行われた骨髄バンクチャリティーの格闘技興行「CHAKURIKI 3」にて(撮影:志和浩司)

 急性白血病で2000年に世を去ったアンディ・フグの最後の対戦相手として知られる元K-1ファイターでキックボクサーのノブ・ハヤシだが、自身も2009年に急性白血病を発症し6年間におよぶ闘病生活を送った。克服し、再びリングに上がるようになった現在も通院は欠かさず、免疫抑制剤を服用している。

 3月1日には東京・後楽園ホールで骨髄バンクチャリティーの格闘技興行「CHAKURIKI 3」を開催した。自身もメインイベントに出場し、ベネルクスヘビー級王者ナジーム・マリクと対戦したが、終了間際にTKO負けを喫した。

 2ラウンドで足の指を骨折して入院中のノブに、骨髄バンクチャリティーのためリングに上がり続ける意味を聞いた。

病気をして「人生こそが戦いであり、戦いの連続であるということに気づいた」

入院中のノブ・ハヤシ(撮影:志和浩司)

 「病気する前は、試合に勝つことが一番でした。いまは、勝ち負け云々よりも、僕自身が病気から復帰して試合をやっている姿をまず人に伝えたいという思いが一番になりました。戦いはリングの中にあると思っていたのですが、人生こそが戦いであり、戦いの連続であるということに気づいたんです」

 1998年にオランダでデビュー、99年にK-1ジャパングランプリで準優勝すると、以後は190センチ115キロの恵まれた体格を活かし、K-1ジャパンの主役の一人として順風満帆な人生を送っていたが、2009年には白血病が発覚し6年間におよぶ闘病生活へ。

 「最初は無菌室で治療したのですが、ガラス張りの部屋がいくつも並んでいて、ベッドからトイレから生活空間すべてが隔離された中で生活しました。見舞いの人や関係者ともすべてガラス越しにマイクロホンで会話しなくちゃいけない。どうしてこんな病気になったんだろうと思うこともありました。どんどん亡くなっていく人がいて、いくつもあった部屋が、ある日片付けられるんです。心臓を鷲掴みにされるような悲しさを感じました。そんな中から、なんとしても復帰して、今後はライフワークとして日本骨髄バンクに少しでも寄付できるようなチャリティーの大会をやっていこうと決心したんです」